楽器をオーバーホールしました。
まだ溝のないタンポ。税別で7万円なり |
4年近く、調整に出さずに自分で分解修理して騙し騙し使っていましたが、ほとんどのタンポが破けていたり破けそうになっていたり、とうとうガタがきたのでオーバーホールに出しました。
オーバーホールに出すまで
いろんなところから奇妙な音がしていましたので、録音する時にうるさくさすがにこれ以上ごまかしが利かなかったので、金欠のところ渋々。
またおぞましい話で申し訳ないのですが小さいトリルキーやいつも閉じたままになっているGisキーなどは、タンポにカビが生えておりました。
私のフルートはムラマツの楽器なので、新宿のムラマツで直してもらいました。
わざわざ日本に行かなくても、ストロビンガーやそれを改良したもの、またはヨーロッパでは割と使われているシリコンのタンポを購入して自分で直そうかなとも思ったのですが、何人かの知人のフルートを試したところ、やはりムラマツのタンポが良いと思ったので、ちょうど日本に帰る機会がありついでに直してもらうことにした次第です。
ストロビンガーも良いのですが、私にとってはちょっと音色が鋭過ぎました。
パウエルのような、楽器が持つ元々拡がったような音色には良いと思うのですが、ムラマツにつけると、ムラマツ独特の音が嫌味に聴こえるようでストロヴィンガーはやめました。
普通は10日から2週間はかかるのですが、日本滞在期間が短かったので無理を言って5日で直してもらいました。
こういう融通を利かせていただける会社は、本当に素晴らしいとつくづく思うばかりです。
楽器を受け取る時に試奏して見て、これ本当に私の楽器?というくらい鳴り具合の違いに驚きました。
オーバーホールしてよかった。
オーバーホールするか悩んだ
実はオーバーホールにするか、値段が高いので主にやばい部分のタンポを交換して直すかで悩んだのですが、私の楽器のタンポが一つ前のモデルのもので、最新のモデルのタンポの楽器をお借りし吹き比べてその違いの差に驚き、オーバーホールすることにしました。
仮にオーバーホールしない場合は、痛んでいた部分にまた古いモデルのタンポを新しくつけ直さないといけないそうなので、と言ってもほとんどのタンポがダメなのであまり変わらないのですが。
ムラマツの金の楽器は、キーのパイプも金メッキがしてあるのですが、以前不具合がありステンレス製のものに交換したのですが、オーバーホールから帰ってきた楽器を少し分解したところ、金メッキのものになっていました。
音色ですが、今まで力んで吹いていたところが簡単に吹け、逆に力むと鳴りが悪くなります。
この楽器はこんな音色が出せたのだと、練習がはかどりました。
オーバーホールする際の注意
そういえば、ある知人がムラマツのフルートを使っていましたが、タンポを見せてもらったらフェルトのものになっており、2、3年前に家のそばの楽器店でオーバーホールしてもらったそうです。
ムラマツのタンポは主にシリコン製なので、鳴りが全然違いますし、フェルトのタンポはそれなりの良さがあるのですが、現代では主にヴィンテージもの向けなのでムラマツにはあまり合わない印象です。
もしオーバーホールや、タンポを交換する機会があれば、楽器の製造メーカーでやってもらうことを強くお勧めします。
1箇所だけ違うタンポをつけてしまうと、そこだけ鳴りが変わり、音にムラができてしまいます。
フルートの音色の個性が出るほとんどの部分は、歌口の形や削り具合、テーパー(頭部管の拡がり具合)、タンポの素材です。
同じ楽器に違うタンポをつけてみるとわかるのですが、全く別の楽器になってしまいますのでご注意ください。