フルートの4オクターブ目の運指表【厳選版】
現代曲や後期ロマン派のオーケストラ作品(マーラーやリヒャルト・シュトラウス等)ではよく出てきます。
教則本に載っている4オクターブ目の指使いは、音が出づらいか、もしくは出ても音程があまり良く無い、指使いが難しいなどの問題があります。
教則本によってはたくさんの指使いが書かれており、どれを使ったらよいかわからないでしょう。
この記事では良い音程で出しやすく、指使いが簡単なものを集めました。
なお、難しいフレーズを演奏するときに知っていると役に立つ変え指は、以下の記事にまとめてありますので、あわせて参考にしてください。
フルートの替え指まとめ
◯●◯ ‖ ●◯◯
簡単な運指です。音程は若干高めです。
◯◯◯ ‖ ◯◯●
B
最も簡単な運指で、音程も安定しています。
◯◯● ‖ ●●◯ C
◯◯● ‖ ◯L●◯
●◯● ‖ ●◯● Es, Cis
C4
●○● ‖ ○◯R◯
Cis4
◯●○ ‖ ●◯◯
D4
◯◯● ‖ ●●◯C
H
Es4
◯◯● ‖ ●L●◯C
H
F4
●◎◯ ‖ ◯●R◯
例:C1
ブリチャルディキー(左手親指の頭部管側のキー、B♭のときに押すキーです)は B、
足部管側のキーは H と表記します。
離しているときは何もかかれません。
例:♭B1
●◯◯ ‖ ◯◯◯ es
B
例:F3
●◯● ‖ ●◯◯ es
H
Gis レバーは 『gis』と表記します。
例:Gis1
gis
●●● ‖ ◯◯◯ es
H
例:♭B3
●◯◯ ‖ ●L●● es
H
例:H3
●◯● ‖ ◯◯R◯
※運指表の見方がわからない場合には、この記事の下の方に解説があります。
※試した楽器はムラマツのH管リングキーですが、楽器によっては出ないかもしれませんので予めご了承ください。
●◯● ‖ ◯◯R◯
4オクターブのドの指使いの中で最も簡単な運指です。3オクターブ目のシのトリルの時に使われる指使いです。音程が低くなりがちなので、フォルテの時に使うと良いです。
※試した楽器はムラマツのH管リングキーですが、楽器によっては出ないかもしれませんので予めご了承ください。
運指
C4:
●◯● ‖ ◯◯R◯
4オクターブのドの指使いの中で最も簡単な運指です。3オクターブ目のシのトリルの時に使われる指使いです。音程が低くなりがちなので、フォルテの時に使うと良いです。
●●● gis ‖ ●●●ギ
これはほとんどのフルートで安定した音程と音色で演奏する事のできる運指です。多くのオーケストラのフルーティストもこの運指を使います。
●●●‖●⦿R◯ギ
私が最もよく使う運指です。音程も良く、何よりもピアニッシモでも安定した音がでます。右手中指はリングキーの穴を開けたままにするため、リングキーの楽器でしか出来ません。
●●●gis‖●●R◯ギ
この運指は4オクターブ目のドを、ppで演奏しなければならないときに有効です。
Cis4:
◯●◯ ‖ ●◯◯
簡単な運指です。音程は若干高めです。
◯●●gis‖ ●◯◯
こちらは音程が安定した運指です。
リングキーの場合、以下のように左手薬指の穴を少し開けることでより音程が安定します。
◯●⦿gis ‖ ●◯◯
D4:
◯◯◯ ‖ ◯◯●
B
最も簡単な運指で、音程も安定しています。
H管の楽器の場合、以下の指使いにするとより安定します。
◯◯◯ ‖ ◯◯● H
B
一般的には以下の運指が用いられますが、音程が少し高めなのであまりおすすめではありません。
一般的には以下の運指が用いられますが、音程が少し高めなのであまりおすすめではありません。
◯◯● ‖ ●●◯ C
Es4:
◯◯● ‖ ◯L●◯
H
少し出しづらいですが、4オクターブの♭ミの運指では一番安定します。
●●◯ ‖ ◯●R◯
こちらも難しいですが、4オクターブのミの運指で一番音が出やすいです。
●◎◯ ‖ ◯L●R◯
音程が低めですが、一番安定します。
少し出しづらいですが、4オクターブの♭ミの運指では一番安定します。
E4:
●●◯ ‖ ◯●R◯
こちらも難しいですが、4オクターブのミの運指で一番音が出やすいです。
F4:
●◎◯ ‖ ◯L●R◯
音程が低めですが、一番安定します。
イベールのフルート協奏曲の一番最後の4オクターブのファの時に安心です。
Fis4
●◯● ‖ ●◯● Es, Cis
H
4オクターブ目の♯ファの運指です。
4オクターブ目の♯ファの運指です。
右手小指でEsキーとCisキーを同時に押さえます。
3オクターブ目のファの運指にcisキーを足しただけです。
簡単に覚えやすい運指で、音も割と出やすいのですが、残念ながらあまり使う機会がありません。
参考:ブーレーズのソナチネの最後の小節の運指
C4
●○● ‖ ○◯R◯
Cis4
◯●○ ‖ ●◯◯
D4
◯◯● ‖ ●●◯C
H
Es4
◯◯● ‖ ●L●◯C
H
F4
●◎◯ ‖ ◯●R◯
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運指表の見方
キーを抑えている場所は黒丸『●』、離している場所は白丸『◯』です。
リングキーのキーのみふさいで、真ん中の穴は指で塞がない場合には、二重丸『◎』と表記します。
右手小指について
右手小指ですが、Esキー(足部管の一番本体側に近いキーです。レを出すときに離すキーです)は『es』、Cisキーは『cis』、Cキーは『c』、H管の場合Hキーは『h』、ギズモレバーは『ギ』と表記します。
例:C2
●◯◯ ‖ ◯◯◯ es
例:C1
●●● ‖ ●●● c
H
H
左手親指について
ブリチャルディキー(左手親指の頭部管側のキー、B♭のときに押すキーです)は B、
足部管側のキーは H と表記します。
離しているときは何もかかれません。
例:♭B1
●◯◯ ‖ ◯◯◯ es
B
例:F3
●◯● ‖ ●◯◯ es
H
左手小指について
Gis レバーは 『gis』と表記します。
例:Gis1
gis
●●● ‖ ◯◯◯ es
H
トリルキーについて
右手の2つのトリルキーについて、頭部管側は『L』、足部管側は『R』と表記します。例:♭B3
●◯◯ ‖ ●L●● es
H
例:H3
●◯● ‖ ◯◯R◯