サン=サーンス作曲『鳥かご』動物の謝肉祭より。オーケストラスタディー



サン=サーンス作曲「動物の謝肉祭」より第10曲目の「鳥かご」は、オーケストラのオーディションに頻繁に出題されます。

この曲では、ダブルタンギングと指の正確性が要求されます。

また低音から高音への素早い跳躍も要求されます。

音楽性も忘れてはならず、鳥がさえずるように軽やかに吹かなければなりません。

軽やかな表現をするためには、フルートの高度なテクニックが必要になります。

この記事では、作曲された背景や練習のポイント、参考音源を掲載しています。

ブラームス作曲『交響曲第四番』第4楽章のフルートソロの解説(オーケストラスタディー)

 


オーケストラのフルートのオーディションを受ける際、ほぼ必ず課題曲になるブラームスの交響曲第四番、第4楽章のフルートソロの解説です。

この記事では楽譜とともに作曲された背景、分析、演奏のポイント、参考音源と練習用の伴奏音源を紹介します。


さらに効率の良い練習をするための方法と道具など

 普段から効率的に練習することは、上達のための近道です。

上達を感じることができれば、フルートを吹く楽しみはより大きくなるでしょう。
この記事では効率よく練習するためのポイントと、実際に私が行なっている方法を、覚え書きとして文字に起こしてみますので少しでも参考にしていただければ幸いです。

クラシック音楽家にオススメしたいiPadのアプリとガジェット


 去年末に12.9インチのiPadProを購入して以来、練習では紙の楽譜を使うことはほとんどなくなりました。

iPadはアンドロイドのタブレットに較べ、かなり高価です。

しかし音楽系のアプリやガジェットに関して、アンドロイドのタブレットとは比較にならないほど充実しており、実際に日常でストレスなく使うことができます。

今回はiPadの楽器の練習での活用方法や、特に使える無料、有料アプリ、ガジェットを紹介します。


フルートのタンギング、舌の位置と発音


 タンギングは、フルートを演奏する際に最も重要な技術の一つです。

フルートで音を出す際に、舌を口の上部にあてて息が唇に流れないように止めます。

息がせき止められることにより圧力が高まり、舌を解放したときにはっきりとした音の立ち上がりで発音することができます。

この記事では主にシングルタンギングに関する基礎知識や練習方法をまとめています。




タンギングの意味


なぜタンギングをしなければいけないのでしょうか。

タンギングをしなくても音は出ますし、喉で息を止める事でも音を区切ることはできます。

しかし、そのような方法ではいくつかの障害が出てきます。

もっとも大きな障害は音程が悪いということでしょう。

音の出だしでは音程が低くなってしまい、少し後になって音程が上がるという、常にしゃくりあげたようになってしまいます。

さらに、少し大きな場所で演奏してみると、音の出だしや立ち上がりがぼやけてしまい、もごもごとした演奏になってしまいます。

役者が舞台でセリフを言うとき、子音をはっきりと発音しないと何を喋っているのか理解できないように、フルートを演奏するときにタンギングをはっきりとする必要があります。


タンギングする舌の位置


タンギングはどこに舌をあてるべきか、昔から議論されています。

舌は歯の裏にあてる、またはいちじくのタネを飛ばすときのように唇の間にあてる、など様々な意見が教則本に書かれています。

私の個人的な意見では、正しい方法などなく、どのタンギングもできるようにする必要があると思っています。

そしてフレーズや音域によって柔軟に使い分けることで、より良い演奏が可能となると思います。

一つの方法にこだわらず、いくつかの選択肢を持つことで表現の幅が広がるでしょう。


タンギングの種類


タンギングをする際に基準となる子音を紹介します。

上の方が、舌をあてる位置が口の前寄りになり、下にいくにつれて奥にあてます。

p

th

t

d

l


p


pは日本語の『プ』に近い発音です。

唇の間に舌の先端をあて発音します。

これは軽い発音で、特にピアニッシモなどのときに有効です。

このタンギングを使う人は比較的多いですが、常に使うと音の立ち上がりがべちゃっとした変な印象を感じることもあります。

このタンギングは舌が唇につくため、人によっては唇が動きます。

唇が動くことを嫌う先生が多いですが、出ている音が重要なのでこの方法でうまくいくのならあまり気にする必要はありません。

関連記事:安定したフルートのアンブシュアを得るために大事なコツ

また、他の舌の位置でタンギングを練習することで、唇が動かないよう発音することもできます。


th


thは日本語の表記にはありませんが『ツ』と『ス』の間くらいの発音です。

前歯の下に舌をあてます。

私はこのタンギングを使うことはほとんどないので利点はわかりませんが、人によっては使いやすい方もいらっしゃると思うので念のため紹介しました。


t


tは『トゥ』や『タ』などに近い発音です。

前歯の裏や根元、根元よりすこし奥に舌先をあて発音します。

初心者用の教則本にもよく書かれているタンギングだと思います。

注意したいのが、日本語の『トゥ』や『タ』と『 t 』は、舌のあてる位置が若干異なります。

日本語の場合では舌をあてる面積が大きい為、発音が鈍くなってしまい、また機敏に舌を動かすことが難しくなります。

舌先を軽く歯の根元付近にあて、良い発音ができるよう試行錯誤してみると良いかと思います。

また英語やフランス語、ドイツ語などでも『 t 』の発音は若干違うので、文字で理解するよりも実践して体で覚えた方が良いかもしれません。


d


dは『ダ』や『ドゥ』に近い発音です。

tよりも少し奥に舌をあてます。

この子音も日本語と西洋語ではかなり異なります。

日本語の『ダ』では舌の中央に近い位置を口にあてますが、『 d 』は舌先をあてるイメージです。

ここ数年の教則本には、『トゥ』では発音が強すぎるので『ドゥ』を使いなさいと書かれているものを目にするようになりました。

私個人の意見ですが、『ドゥ』と発音すると空気音の多いぼやけた音色になってしまうような気がします。

舌先を少し奥の方で発音するようにするとハッキリとした発音になるので、試してみてください。


l

lは『ル』とほぼ同じ発音です。

dよりもさらに口の奥に舌先をあて発音します。

この子音は音をつなげる時や、強く発音する際にも使える万能なタンギングです。

ポルタートのときに役立ちます。



バロックのタンギング


クヴァンツの『フルート方法試論』には、当時使われていたタンギングがまとめられています。


たとえば『 dl 』や『 ri 』などはバロック音楽に興味がある方は、比較的目にする機会の多いタンギングでしょう。

これらのタンギングは、バロックフルート(トラヴェルソ)ではかなり有用です。

円錐管で小回りのきく当時の楽器では、繊細なニュアンスを表現することは現代の円筒管フルートよりもたやすくできました。

これらのタンギングを現代の楽器で用いることを試みている奏者もいますが、個人的にはあまり効果がないと感じています。

現代の楽器でこれらのタンギングを用いると、半端な感じになってしまうので、楽器に適した方法で演奏した方が良いというのが私の意見です。

しかし、実際に演奏で用いるのかどうかはともかく、これらのタンギングも練習して滑らかにできるようにしておく必要があると思っています。


タンギングをどのように練習するか


タンギングの一番の上達方法は、とにかくタンギングをたくさんすることです。

タンギングを練習するためにもっとも適した練習曲は、タファネル=ゴーベールの日課練習の第四番の音階を全てタンギングでおこなってください。

楽譜を持っていない方は、IMSLPの無料の楽譜があるので参考までにどうぞ。

タファネル=ゴーベール「日課練習」

No.4のDaily Exercisesの第四番(E.J.4)の音階(右上に119ページと書かれているもの)です。

これを様々なタンギングを用いて練習してみてください。

初めは音が出づらいと思いますが、練習しているうちに使い分けできるようになります。

すぐにできるようなことではないので、何年もかけてじっくり取り組んでみてください。


また、
バッハの無伴奏フルートのためのパルティータ、イ短調BWV1013のアルマンド、
楽譜

テレマンのファンタジー第11番、
楽譜

イベールのフルート協奏曲の冒頭、
楽譜

ロッシーニのウィリアムテル序曲(オーケストラスタディーにある有名な箇所)、
楽譜

ヒンデミットのウェーバーの主題によるメタモルフォーゼンの第三番Andantino
楽譜


などはタンギングを鍛える上で毎日練習したいおすすめな曲です。


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 モーツァルトのフルート協奏曲はフルート作品の中でも、最も多くの異なる版が出版されています。

アーティキュレーションやカデンツ、そして最も異なるのが伴奏譜でしょう。

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リップクリームにご注意を。

リップクリームとフルート

 今冬はとても寒く、私の住んでいる地域でもかなりの降雪がありました。
そのような気候の時に外をあるくと、唇がとても乾燥します。
私は普段からリップクリームは塗らないのですが、さすがに乾燥しすぎて唇の皮がささくれだってしまったので1週間ほどリップクリームを塗っていました。


ああモーツァルト。『原典版』とは?


 現代の演奏家にとって「原典に忠実な演奏」ということは、もはや避けて通れない問題でしょう。

一昔前なら偉大な演奏家が出版した楽譜には、その演奏家が付け足したアーティキュレーションやニュアンス、さらには音の変更など、現代では考えられないような「校訂」が行われていました。

フルートよりもピアノの楽譜の方がより顕著に、これらの校訂が行なわれています。

さて、現代を生きる私のような無名の音楽家にとって、独自の解釈をたくさん盛り込んで演奏することよりも、より原典に忠実に、言い換えると作曲家がどのような音を望んでいたのかを最優先に音楽を構築することを求められるようになりつつある今日です。

これは有名な古楽演奏家のピリオド奏法(当時の楽器、奏法を再現する試み)の影響を、モダン楽器にも持ち込まれているからでしょう。

そして、演奏スタイルの変化とともに、出版される楽譜にも、「原典版」という文字がともに印刷されることが増えているような気がします。

今回は、モーツァルト作曲フルート四重奏曲ニ長調KV. 285を題材に、これらの問題について考察してみようと思います。


iPadでハイレゾ録音/再生。APOGEE MIC PLUS USBのレビュー

 2017年12月にアメリカのApogee社から発売されたコンデンサーマイク『APOGEE Mic+』。

普段からのフルートの練習をできるだけ高音質に録音したいので、持ち運びやすく、かつハイレゾに対応したマイクを探していました。そしてこのマイクを見つけました。

Apogee mic +


2018年1月現在、日本のアップルストアにはまだ掲載されていませんでしたが、MFi認証を受けている製品です。私はドイツのアップルストアにて269.95ユーロ(約36,700円)で購入しました。

2週間ほど使用してみたので、感想を書いてみます。