かすれた音色を美しくするフルート練習のコツ
なんだかかすれたフルートの音色も、正しく練習すれば必ず美しい音になります。
今回は、
どうしたらもっと良い音が出るだろう?
良い音を出すためになにを練習すれば良いだろう?
をテーマに、いくつか異なる練習方法をまとめてみました。
みなさんがフルートを始めたきっかけは何でしょうか?
私の場合は、フルートの美しい音色に興味を持ち、自分でもあのような音を出してみたいと思ったことがきっかけでフルートを吹き始めました。
小学校高学年の時にフルートを買ってもらい、中学ではとても自由な吹奏楽部に入り、好きな曲を下手ながらも吹ける機会に恵まれ、ますますフルートにのめり込んでゆきました。
今まで20年以上フルートを吹いてきたのも、フルートの音が大好きだったからだと思います。
私事ですがもう少しお付き合いください。
なんとなくフルートを吹いて楽しんでいましたが、何を間違えたのか音大に入ってしまい、だんだんとフルートに対する向き合い方が状況が変わります。
周りにはたくさんのフルーティストの卵がおり、中学の吹奏楽部の時と違い、他の生徒と比べて自分の出しているフルートの音色の汚さや、音楽のつまらないことに嫌でも気づかされました。
自分よりももっと美しい音で、もっと面白い演奏をする生徒がたくさんいる中で、どうやったらその人達に追いつくことができるのだろうとあれこれと試行錯誤が始まります。
そんな試行錯誤も初めはなかなか上手くゆかず、音が出なくなってしまったり、変な音色で吹く癖をつけたりと、散々な結果でした。
しかし、その失敗を通してだんだんと、どうやったら良い結果が出るとわかってきました。
さて、長々と自分の話を書いてしまいましたが、ここからが本題になります。
みなさんは音色をよくするために何をしたら良いですかと質問されたら、どうお答えになるでしょうか。
おそらく多くの方は、モイーズの『ソノリテについて』を練習したら良いとお考えになることと思います。
私も学生当時はそう考え、当時の師匠にもソノリテをやるよう言われたので、『ソノリテ』をやれば音色が改善されると信じて練習していましたが、やればやるほど自分の思うような音が出ていない気がしました。
レッスンでも1音ずつ音色が均一かどうか厳しくチェックされ、少しでも音質が違うとまた来週同じことを繰り返しやらなければなりませんでした。
しかし、音質は改善されるどころかなんだかより汚くなってしまったようでこれには師匠も苦笑いでした。
そしてソノリテ以外に、なにか音色が改善する方法はないかと色々探して試してみました。
ある時、ウィルオッフェルマンズの『現代フルート奏者のために』(2018年現在絶版です)という現代音楽のテクニックの練習曲集に出会い、状況が大きく変わりました。
この本の中で、フラッター奏法はもとより、重音、ホイッスルトーン、歌いながらフルートを吹く、ウィンドトーン、循環呼吸といったフルートで出すことのできる音を限界まで練習することにより常日頃から出している普通の音をもっとコントロールできるようになりましょうと書いてありました。
今までやってきた『ソノリテについて』とは全く逆の考え方で、目からウロコが落ちる思いでした。
この本は現在なかなか手に入れるのが難しいですが、ペータールーカスグラーフの『チェックアップ フルートテクニックの総点検』という有名な本があるので、こちらに循環呼吸以外のテクニックが練習できますのでオススメです。
また、20項目が綺麗に整頓されており、各練習に何分必要なのかまで書いてありますので、なかなか練習時間を確保するのが難しい方にもオススメです。
全部練習してだいたい1時間くらいなので、そこからいくつか自分に必要なことを取り出して、毎日練習することもできます。
この本の内容で私のオススメは、ハーモニクスと、声を出しながらフルートを吹く練習、そして難しいですがホイッスルトーンの練習です。
これらのテクニックのやり方は後日また記事を書く予定ですが、ネットで調べればやり方はたくさん出てくると思います。
先に挙げた特殊奏法はあくまでも音を出すコントロールの幅を拡げるためのものでしたが、いろいろ練習していてもう一つ気がついたことは、音階練習をするということでした。
タファネル=ゴーベールの第4番の音階を全調、毎日2回吹いていると低音がサーサーとかすって音が出ないことが確実に減ります。
教本の上に挙げてあるいろいろなアーティキュレーションで毎日練習すれば、とても良い結果を得られると思います。
数年前に大阪のムラマツホールで、世界中の素晴らしい女性フルート奏者の中でも最も有名な、コンセルトヘボウ管首席のエミリーバイノン先生にマスタークラスを受ける機会があり、この方法を教えていただきました。
先生は何かの雑誌にもこの方法を書かれていましたが、まず自分の演奏を録音し、録音したものをその日聴くのではなく次の日の午後、美味しい紅茶をいれクッキーとともにくつろぎながら自分の録音を聴く。
美味しい紅茶をいれることがポイントだそうです(先生は、若かりし頃イギリスでベネットの元で勉強していた時にこれを思いついたのでしょうか)。
録音機は持ち運びの出来る小さな音楽用のちゃんと使えるものが2万円程度で購入できます。
練習のモチベーションを上げるためにもぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
これが最大のコツだと思います。
自分の好きな奏者、嫌いな奏者にかかわらず有名な方の演奏やCDなどの音源は片っ端から聴きましょう。
CDなどは聴きながらフルートを吹くこともできますので、ご自身の練習している曲のCDなどの音源が手に入れば、CDを聴いた直後に自分で吹いてみて、またCDを聴いて・・・というふうにしてみてください。
理想の音がもっと具体的にイメージできるようになります。
そうすればしめたものです。
良い音のイメージが頭の中で明解になればなるほど、さらに良い音が出せるようになるかと思います。
もちろんCDなどの音源は、現代の最良の技術で加工してあるのでなかなか思うような音にはならないですが、頭の中に良い音のイメージを具体的にもつための良い練習となること請け合いです。
今回は、
どうしたらもっと良い音が出るだろう?
良い音を出すためになにを練習すれば良いだろう?
をテーマに、いくつか異なる練習方法をまとめてみました。
はじめに
みなさんがフルートを始めたきっかけは何でしょうか?
私の場合は、フルートの美しい音色に興味を持ち、自分でもあのような音を出してみたいと思ったことがきっかけでフルートを吹き始めました。
小学校高学年の時にフルートを買ってもらい、中学ではとても自由な吹奏楽部に入り、好きな曲を下手ながらも吹ける機会に恵まれ、ますますフルートにのめり込んでゆきました。
今まで20年以上フルートを吹いてきたのも、フルートの音が大好きだったからだと思います。
私事ですがもう少しお付き合いください。
なんとなくフルートを吹いて楽しんでいましたが、何を間違えたのか音大に入ってしまい、だんだんとフルートに対する向き合い方が状況が変わります。
周りにはたくさんのフルーティストの卵がおり、中学の吹奏楽部の時と違い、他の生徒と比べて自分の出しているフルートの音色の汚さや、音楽のつまらないことに嫌でも気づかされました。
自分よりももっと美しい音で、もっと面白い演奏をする生徒がたくさんいる中で、どうやったらその人達に追いつくことができるのだろうとあれこれと試行錯誤が始まります。
そんな試行錯誤も初めはなかなか上手くゆかず、音が出なくなってしまったり、変な音色で吹く癖をつけたりと、散々な結果でした。
しかし、その失敗を通してだんだんと、どうやったら良い結果が出るとわかってきました。
ソノリテについて
さて、長々と自分の話を書いてしまいましたが、ここからが本題になります。
みなさんは音色をよくするために何をしたら良いですかと質問されたら、どうお答えになるでしょうか。
おそらく多くの方は、モイーズの『ソノリテについて』を練習したら良いとお考えになることと思います。
私も学生当時はそう考え、当時の師匠にもソノリテをやるよう言われたので、『ソノリテ』をやれば音色が改善されると信じて練習していましたが、やればやるほど自分の思うような音が出ていない気がしました。
レッスンでも1音ずつ音色が均一かどうか厳しくチェックされ、少しでも音質が違うとまた来週同じことを繰り返しやらなければなりませんでした。
しかし、音質は改善されるどころかなんだかより汚くなってしまったようでこれには師匠も苦笑いでした。
そしてソノリテ以外に、なにか音色が改善する方法はないかと色々探して試してみました。
良い音が出せるよう変わったきっかけ
その1、特殊奏法
ある時、ウィルオッフェルマンズの『現代フルート奏者のために』(2018年現在絶版です)という現代音楽のテクニックの練習曲集に出会い、状況が大きく変わりました。
この本の中で、フラッター奏法はもとより、重音、ホイッスルトーン、歌いながらフルートを吹く、ウィンドトーン、循環呼吸といったフルートで出すことのできる音を限界まで練習することにより常日頃から出している普通の音をもっとコントロールできるようになりましょうと書いてありました。
今までやってきた『ソノリテについて』とは全く逆の考え方で、目からウロコが落ちる思いでした。
この本は現在なかなか手に入れるのが難しいですが、ペータールーカスグラーフの『チェックアップ フルートテクニックの総点検』という有名な本があるので、こちらに循環呼吸以外のテクニックが練習できますのでオススメです。
また、20項目が綺麗に整頓されており、各練習に何分必要なのかまで書いてありますので、なかなか練習時間を確保するのが難しい方にもオススメです。
全部練習してだいたい1時間くらいなので、そこからいくつか自分に必要なことを取り出して、毎日練習することもできます。
この本の内容で私のオススメは、ハーモニクスと、声を出しながらフルートを吹く練習、そして難しいですがホイッスルトーンの練習です。
これらのテクニックのやり方は後日また記事を書く予定ですが、ネットで調べればやり方はたくさん出てくると思います。
きっかけその2、音階練習
先に挙げた特殊奏法はあくまでも音を出すコントロールの幅を拡げるためのものでしたが、いろいろ練習していてもう一つ気がついたことは、音階練習をするということでした。
タファネル=ゴーベールの第4番の音階を全調、毎日2回吹いていると低音がサーサーとかすって音が出ないことが確実に減ります。
教本の上に挙げてあるいろいろなアーティキュレーションで毎日練習すれば、とても良い結果を得られると思います。
きっかけその3、自分の音を録音してみる
数年前に大阪のムラマツホールで、世界中の素晴らしい女性フルート奏者の中でも最も有名な、コンセルトヘボウ管首席のエミリーバイノン先生にマスタークラスを受ける機会があり、この方法を教えていただきました。
先生は何かの雑誌にもこの方法を書かれていましたが、まず自分の演奏を録音し、録音したものをその日聴くのではなく次の日の午後、美味しい紅茶をいれクッキーとともにくつろぎながら自分の録音を聴く。
美味しい紅茶をいれることがポイントだそうです(先生は、若かりし頃イギリスでベネットの元で勉強していた時にこれを思いついたのでしょうか)。
録音機は持ち運びの出来る小さな音楽用のちゃんと使えるものが2万円程度で購入できます。
練習のモチベーションを上げるためにもぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
きっかけその4、良い音をたくさん聴く
これが最大のコツだと思います。
自分の好きな奏者、嫌いな奏者にかかわらず有名な方の演奏やCDなどの音源は片っ端から聴きましょう。
CDなどは聴きながらフルートを吹くこともできますので、ご自身の練習している曲のCDなどの音源が手に入れば、CDを聴いた直後に自分で吹いてみて、またCDを聴いて・・・というふうにしてみてください。
理想の音がもっと具体的にイメージできるようになります。
そうすればしめたものです。
良い音のイメージが頭の中で明解になればなるほど、さらに良い音が出せるようになるかと思います。
もちろんCDなどの音源は、現代の最良の技術で加工してあるのでなかなか思うような音にはならないですが、頭の中に良い音のイメージを具体的にもつための良い練習となること請け合いです。