未来のテクノロジーと音楽のあり方について
テクノロジーの発展に伴い、数年前には考えられなかったような音楽体験ができるようになりました。
ライブ演奏しか聴けなかった時代から、レコード、ラジオ、CDやテレビ、DVDやブルーレイといったメディアの時代を経て、ここ数年ではユーチューブなどのライブストリーミングでの音楽体験という形が普及しつつあります。
「さらに良い音質」を追求していた時代から、ここ数年で、「さらに刺激的な音楽体験」ができる時代へと突入したように思えます。
おそらく、今年2016年にもっとも話題となり、音楽体験に影響する技術の一つは「VR」という技術でしょう。
VRとは、バーチャルリアリティーの略で、数年前に流行した3Dテレビなどの技術がさらに発展し、3Dモニターをメガネのようにかけサラウンドヘッドフォンで音を聴くことのできる技術です。
3Dモニターのように高額で大きな設備を必要とせず、比較的廉価に環境を作れる利点があります。
これらは既に、1部の機器やソフトウェアで体験できるので、参考動画やサイトを貼っておきます。
対応ブラウザはChrome、Firefox、Internet Explorer、Operaです。
また、パソコンのスペックが低い場合には上手く再生できないかもしれません。
アンドロイドのスマートフォンも対応していれば、YouTubeアプリから見ることができます。
こちらのグーグル・カルチュアルインステテュートでは、サイモンラトル指揮、ベルリンフィルの映像なども見ることができます。
フルートは150年以上前にベームが改良を加えて以来、ほとんどその形は変わっていません。
故ピエール・ブーレーズの作品『...exploding-fixed...』で有名なMidiフルートが用いられたり、キングマシステムフルート(24微分音程)などの楽器もありますが、いずれもあまり市民権を得るには至っていない気がします。
これらの楽器は高価で、なかなか一般的には購入することが難しいせいもあります。
スマートフォンの市場が飽和しており、おそらく今後はVRに力を入れる企業もさらに増えると予想されるので、この技術がフルートに取り入れられたら面白いだろうなと思っています。
変わりどころではこんなフルートもあります。
これは、スクリャービンの色光ピアノのフルート版といったところでしょうか。
斎藤和志さんの面白い演奏で、テクノロジーを上手く用いた演奏がありました。
ループ・サンプラーを使い、コントラバスフルートからピッコロまで駆使していらっしゃるのは、さすが斎藤さんです。
ジャズなどの音楽では当たり前に行われている手法ですが、クラシック専門の音楽家でこのようなやり方ができる人は限られています。
今後、さらにテクノロジーとフルートが上手く融合して、さらに面白いものが生まれることが待ち遠しいです。
個人的に、こんな機能があったら便利だなという物を、実現可能な範囲で妄想してみます。
iPad Pro のような大型の画面を持つ譜面台のような端末に楽譜を表示させ、楽器に取り付けた譜めくりボタンを押すと譜面がめくれるというものです。
フルートならあまり使わない右手親指あたりにボタンをつければ便利だと思います。
調整が狂っているタンポを検知して、スマートフォンなどの画面で視覚的に確認できる機能です。
ある程度までは端末を操作して修正でき、修正できない場合には要修理などと教えてくれる機能があれば便利です。
有名なメーカーでは、楽器調整の際にすでにコンピューターを用いて調整の確認をしているそうですが、一般的に普及すれば良いなと思っています。
人間では演奏不可能だったり難しい箇所は、機械的に自動で演奏できる機能です。
あらかじめいくつかのフレーズを登録しておき、割り当てたボタンを押せば自動でキーが動き、人間の役目は息を吹くのみ、というものです。
現代音楽で需要があるかと思います。
人間の演奏と、機械の自動演奏を組み合わせれば、演奏そのもののあり方を変える可能性があると思います。
問題は、それらの装置を取り付けた時にフルートがかなり重くなってしまうことと、その楽器はフルートと呼べるものであるかどうかわからない形をしていると予想されることです。
リッププレートや歌口の形状を演奏中に変えられれば、新たな可能性が生まれるかもしれません。
形状を変えることのできる素材はすでにあり、あとはどこかのメーカーが作るだけですが、私が知る限りではおそらくまだどこも作っていないはずです。
クラシック音楽にも応用でき、表現の幅が広がる可能性もあるかもしれませんが、こればかりはやってみなければわからないでしょう。
将棋の世界では、コンピューターにプロの棋譜を分析させ、あらたな定跡が見つかったりしています。
フルートでも、有名な奏者の名演奏をコンピューターで分析し、何が人間にとって心地よい演奏なのかを発見すれば、さらに音楽表現が変わってゆくはずです。
また、演奏を録音したものをソフトで分析し改善点を正確に書き出すことができれば、有名な先生のもとで高いレッスン料を払って教わることが安価にできるようになります。
はたして、そのように教育されて出来た演奏が芸術なのかは疑問ですが、間違った奏法をしないで済むので音楽の教育のレベルを上げることには貢献するでしょう。
以上、必ずしも実現しえない技術ではないものを妄想してみました。
個人的に、すでにほとんどの楽譜はタブレットに入れ持ち運んでいたり、チューナーやメトロノームも便利なアプリがあるので、必要な時に家に忘れて無いということが無くなったのはありがたいことでした。
今後、さらに発展した技術が生まれ、フルートにも恩恵があればいいなと思っています。
ライブ演奏しか聴けなかった時代から、レコード、ラジオ、CDやテレビ、DVDやブルーレイといったメディアの時代を経て、ここ数年ではユーチューブなどのライブストリーミングでの音楽体験という形が普及しつつあります。
「さらに良い音質」を追求していた時代から、ここ数年で、「さらに刺激的な音楽体験」ができる時代へと突入したように思えます。
2016年
おそらく、今年2016年にもっとも話題となり、音楽体験に影響する技術の一つは「VR」という技術でしょう。
VRとは、バーチャルリアリティーの略で、数年前に流行した3Dテレビなどの技術がさらに発展し、3Dモニターをメガネのようにかけサラウンドヘッドフォンで音を聴くことのできる技術です。
3Dモニターのように高額で大きな設備を必要とせず、比較的廉価に環境を作れる利点があります。
これらは既に、1部の機器やソフトウェアで体験できるので、参考動画やサイトを貼っておきます。
対応ブラウザはChrome、Firefox、Internet Explorer、Operaです。
また、パソコンのスペックが低い場合には上手く再生できないかもしれません。
アンドロイドのスマートフォンも対応していれば、YouTubeアプリから見ることができます。
カーネギーホール、フィラデルフィアオーケストラ
こちらのグーグル・カルチュアルインステテュートでは、サイモンラトル指揮、ベルリンフィルの映像なども見ることができます。
フルート
フルートは150年以上前にベームが改良を加えて以来、ほとんどその形は変わっていません。
故ピエール・ブーレーズの作品『...exploding-fixed...』で有名なMidiフルートが用いられたり、キングマシステムフルート(24微分音程)などの楽器もありますが、いずれもあまり市民権を得るには至っていない気がします。
これらの楽器は高価で、なかなか一般的には購入することが難しいせいもあります。
スマートフォンの市場が飽和しており、おそらく今後はVRに力を入れる企業もさらに増えると予想されるので、この技術がフルートに取り入れられたら面白いだろうなと思っています。
パフォーマンスとしてのフルート
変わりどころではこんなフルートもあります。
トレバー・ワイ:LEDフルート
これは、スクリャービンの色光ピアノのフルート版といったところでしょうか。
斎藤和志さんの面白い演奏で、テクノロジーを上手く用いた演奏がありました。
ジャズなどの音楽では当たり前に行われている手法ですが、クラシック専門の音楽家でこのようなやり方ができる人は限られています。
個人的に欲しい機能
今後、さらにテクノロジーとフルートが上手く融合して、さらに面白いものが生まれることが待ち遠しいです。
個人的に、こんな機能があったら便利だなという物を、実現可能な範囲で妄想してみます。
1、自動譜めくり機能つき譜面台
iPad Pro のような大型の画面を持つ譜面台のような端末に楽譜を表示させ、楽器に取り付けた譜めくりボタンを押すと譜面がめくれるというものです。
フルートならあまり使わない右手親指あたりにボタンをつければ便利だと思います。
2、タンポ調整機構
調整が狂っているタンポを検知して、スマートフォンなどの画面で視覚的に確認できる機能です。
ある程度までは端末を操作して修正でき、修正できない場合には要修理などと教えてくれる機能があれば便利です。
有名なメーカーでは、楽器調整の際にすでにコンピューターを用いて調整の確認をしているそうですが、一般的に普及すれば良いなと思っています。
3、自動演奏機能
人間では演奏不可能だったり難しい箇所は、機械的に自動で演奏できる機能です。
あらかじめいくつかのフレーズを登録しておき、割り当てたボタンを押せば自動でキーが動き、人間の役目は息を吹くのみ、というものです。
現代音楽で需要があるかと思います。
人間の演奏と、機械の自動演奏を組み合わせれば、演奏そのもののあり方を変える可能性があると思います。
問題は、それらの装置を取り付けた時にフルートがかなり重くなってしまうことと、その楽器はフルートと呼べるものであるかどうかわからない形をしていると予想されることです。
4、音量や音色を変化させる機構
リッププレートや歌口の形状を演奏中に変えられれば、新たな可能性が生まれるかもしれません。
形状を変えることのできる素材はすでにあり、あとはどこかのメーカーが作るだけですが、私が知る限りではおそらくまだどこも作っていないはずです。
クラシック音楽にも応用でき、表現の幅が広がる可能性もあるかもしれませんが、こればかりはやってみなければわからないでしょう。
5、奏法を分析するソフト
将棋の世界では、コンピューターにプロの棋譜を分析させ、あらたな定跡が見つかったりしています。
フルートでも、有名な奏者の名演奏をコンピューターで分析し、何が人間にとって心地よい演奏なのかを発見すれば、さらに音楽表現が変わってゆくはずです。
また、演奏を録音したものをソフトで分析し改善点を正確に書き出すことができれば、有名な先生のもとで高いレッスン料を払って教わることが安価にできるようになります。
はたして、そのように教育されて出来た演奏が芸術なのかは疑問ですが、間違った奏法をしないで済むので音楽の教育のレベルを上げることには貢献するでしょう。
以上、必ずしも実現しえない技術ではないものを妄想してみました。
個人的に、すでにほとんどの楽譜はタブレットに入れ持ち運んでいたり、チューナーやメトロノームも便利なアプリがあるので、必要な時に家に忘れて無いということが無くなったのはありがたいことでした。
今後、さらに発展した技術が生まれ、フルートにも恩恵があればいいなと思っています。