低音から高音域まで楽に出す練習方法

 フルートの低音や高音がうまく出ない時に、参考になる情報をまとめました。より大きく響かせ、アタックやタンギングをするためにアンブシュアの見直すコツです。




低音や高音がうまく出ない時の解決方法 


 今回は低音から高音域まで楽に出すフルートの練習方法について書きます。

一昔の楽器ではなかなか難しいことでしたが、今の楽器は本当によく低音が鳴ります。

ジョリヴェの「リノスの歌」のダンスの部分で低音のレが連続するところ、プロコフィエフのソナタの1楽章の展開部のミの3連符など、昔の楽器で演奏するのが困難な箇所も現代の楽器で吹けばトランペットのようにキビキビと吹くこともできます。

さて、そんな現代の楽器でも、特に初心者の方には低音から高音までムラなく鳴らすのはとても難しいと思います。
前回の記事『安定したアンブシュアを得るために大事な、フルートのたった一つの秘訣』でも書きましたが、アンブシュアは力まなくても低音から高音域まで自然に吹けなくてはなりません。そしてそれは鏡を見ながらフルートを口の真ん中にあて、良い見た目になるようすればできるものではないからです。

では、どうやったらアンブシュアのために良い練習ができるでしょうか?

1、ホイッスルトーン


アンブシュアのために一番効果的な練習は、『練習時間が足りない人に役立つ3つのフルート練習法』でも書いた、ホイッスルトーンです。
この練習では唇の繊細なコントロールと脱力を求められるので、練習後には低音から高音までとても楽に鳴らせるように鳴ります。
中級者程度の方にはオススメできる練習ですが、もしかすると息のコントロールの訓練がまだ十分でない初心者には少し難しすぎるかもしれません。

そこで以下の道具の登場です。

2、ニューモ


そういうわけで、私は次の方法をオススメします。
これは私が音大を卒業して初めてドイツで習った先生が持っていたPneumo(ニューモ)というもので、中級者以降のものが使ってもなかなか良い練習になりましたが、残念ながら日本ではあまり知られていないようです。
アマゾンで売っていましたので、商品のリンクを貼っておきますので興味がある方は参考にしてください。




これは頭部管に小さな風車が3つ付いており、フルートの頭部管の代わりに本体にセットして吹きます。音は出ません。
この3つの風車は、フルートを吹く時の第1、第2、第3オクターブの息の方向に付いています。
下唇を前に出したり引っ込めたりと、実際にフルートを吹く時よりも大げさに息のコントロールの練習になります。
なかなか低音や高音がうまくゆかない方は、こういった道具を用いて練習するとコツが掴み易いと思うので、参考にしてください。


3.フラッタータンギング


もしフラッターが出来る方は、タファネル=ゴーベールの日課練習の第4番の音階をフラッターでrrrrrrとさらってみてください。
フラッターでさらうことにより、息のコントロールが上達し音が出やすくなります。
また、お腹深くから息を吐く練習にもなります。


4.声を出しながら吹く


楽器を吹きながら歌ってみましょう。
声を出す事により喉が開き、フルートの音がより良く鳴ります。

ユニゾンでフルートと同じ音を歌ってみてから、声無しで吹いてみると違いを感じ取れるかと思います。

5.楽器の組み立て方を見直す


もしかすると楽器の組み立て方がおかしいせいで、うまくいかないことがあります。
こちらの記事『頭部管の角度と抜き具合』を参考にしてみてください。

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