バッハ:伴奏と有名フルーティストのフレージング 無伴奏フルートパルティータBWV1013 アルマンド

今回は通奏低音および有名音楽家のアーティキュレーションです。

この曲が作曲された背景、および和音、楽式などは以下の記事をご覧ください。







通奏低音の例



まずは伴奏をつけた楽譜をご覧ください。

J.S Bach Partita for Solo flute BWV1013 with acc.

J.S Bach Partita for Solo flute BWV1013 with acc.

J.S Bach Partita for Solo flute BWV1013 with acc.

J.S Bach Partita for Solo flute BWV1013 with acc.

J.S Bach Partita for Solo flute BWV1013 with acc.

J.S Bach Partita for Solo flute BWV1013 with acc.



練習音源





メトロノーム速度♩=63  0:00
♩=56   3:01   
♩=60    6:27
♩=63(フルート無し)  9:39




この通奏低音が全てではなく、上手な方が作ればもっと良いものができるかと思いますが、少しでも練習のお役にたつことができれば幸いです。

和音を感じることによって、よりこの曲を理解出来ると思います。

みなさんのオリジナルの伴奏を作ってみてはいかがでしょうか。




有名なフルーティストのアーティキュレーション


さて、ここまではほとんど私個人の意見やら解釈を書いてきましたが、ここからは世界第一線で活躍するフルーティストの解釈を楽譜におこしてみます。

日本を代表する古楽器研究家の有田正広氏、
ベルリンフィル首席エマニュエル・パユ、
世界の古楽界を牽引するバルトルド・クイケン、

以上、名前を並べただけでもわくわくする面々です。


有田正広


ではまず、有田氏のものです。
モダン楽器(ルイロット)による無伴奏フルートパルティータの録音も出されていますが、やはり有田氏の記念碑的な録音はトラヴェルソのものだと思っております。

今回はこのCDを聴きました。


モダン楽器によるCDはこちらです。


さて、トラヴェルソによる繊細なアーテキュレートはテヌートやアクセントなどでは到底楽譜に起こすことは不可能ですが、少しでも参考になるでしょうか。





トラヴェルソならではの繊細なキレの良いアーティキュレートは、モダン楽器では到底真似することは不可能でしょう。
スラーからスタッカートの間のグラディエーションが豊富で、なるほどこんな表現があるんだと聴くたびに考えさせられる素晴らしい録音でした。

パユ


次はスーパースター、エマニュエル・パユによるバッハの無伴奏フルートパルティータです。



トラベルソのような繊細さには欠けますが、スケールの大きい演奏です。
有田氏の演奏が和菓子だとすれば、パユの演奏は大きなケーキでしょうか。

同じフルートという楽器ではありますが、トラベルソと現代のベームフルートは全く別物の楽器であると改めて認識しました。

パユのアルマンドでは、後半で音楽の内容が高まってくると、スラー2対スタッカート2という、どちらかといえば古典派的なアーティキュレーションを多用しており、おやと思ったのですが、ベルリンフィルの首席を張っているだけあり細かい型に囚われることなく自由に音楽を表現するという姿勢を少しでも見習いたいと思ったのでした。

クイケン


さて、3番目はクイケンによる録音です。
彼のした解釈がそのままバロックの正しい解釈となるくらい、彼の研究や演奏は現代フルート界に大きな影響を与えています。





繊細さとダイナミックさを持つアーティキュレートと、トラヴェルソの音色が持つ少しくすんだ音色が持つ表現力が神がかっています。

古楽界のみならずモダン楽器にも多大な影響を与えている理由がはっきりとわかる、説得力のある解釈は必聴です。



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