1時間のフルート練習メニュー。練習をより効率的にするための3つのコツと、持っていたら便利な物。


仕事や学校、家事など、忙しい毎日を送っていらっしゃる方は、フルートを練習するための時間を確保する事がなかなか難しいでしょう。

今回は、1時間だけフルートを練習できる時間がある場合、どのような練習をしたらよいのか時間配分やコツなどを書いてみました。


1時間のフルート練習で何をするか。練習をより効率的にするための3つのコツ

フルートを吹いているのがただ楽しい方にとって、吹きたい曲を演奏して楽しい時間を過ごすことも悪くはありません。

しかし少しだけ頑張って基礎練習すれば、曲を吹いているだけよりもさらに上達します。

演奏技術が向上すれば色々な曲を演奏できるようになりますし、表現したい事も上手くできるようになるなど、さらにフルートを吹くのが楽しくなるでしょう。

ここではまず、効率的に練習するための3つのポイントを簡単におさらいしておきましょう。

ポイント1:練習メニューを決める


毎回、同じようなフレーズでミスをしたり、うまくいかない場合はないでしょうか?

そんな時は曲を吹く時間を減らし、その分を基礎練習にあてると良いかもしれません。

レッスンに通っている方は、先生がどんな基礎練習をしたらよいか教えてくれるでしょう。

巨匠ペーター・ルーカス・グラーフの名著『チェックアップ』(Amazon.jpにある楽譜のリンク)には、様々な基礎練習が必要な時間つきで書かれているので、とても使いやすい教本です。

練習時間の1/3から1/2、つまり1時間のうちの20~30分を基礎練習にあてると良いでしょう。

もし私に1時間の練習時間がある場合、次のようなメニューで練習します。

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練習しなければいけない曲 (30分)

オーケストラスタディ (10分)

計1時間
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練習しなければいけない曲


練習しなければいけない曲は通して吹くのではなく、難しい箇所を重点的に、リズムやアーティキュレーションを変えてゆっくりとさらいます。

その時は完璧にできなくても、明日の練習や本番までに出来ると思えば、次の難しい箇所に移ります。

完璧にやろうとすると時間がかかるので、自分に与えられた時間の中でできる範囲で練習するのがミソです。

あとは本番中の火事場の馬鹿力に望みをかけます。

アンブシュアの練習


アンブシュアの練習では、ハーモニクス(倍音奏法)やホイッスルトーンなどの特殊奏法を練習します。

特殊奏法と聞くと難しいと思ってしまいますが、やってみると案外簡単で楽しいので、練習に取り入れる事を強くオススメします。

かなりアンブシュアのコントロールを改善するために役に立ちます。

タンギングの練習


タンギングは滑舌のように、毎日練習しないと衰えてしまい、はっきりとしたクリアーな発音が出来なくなります。

色々なタンギングを練習しておくと、いざという時に役に立ちます。

オーケストラスタディ


オーケストラスタディとは、オーケストラの作品の中でも最も演奏するのが難しいフレーズを集めたものです。

一日に一度はアクセルを全開に踏んで、自分のフルート技術の限界が衰えないようにします。

もちろん、趣味でフルートを吹いている方にはこれは必要ないので、この時間を初見(知らない曲を楽譜を見ていきなり吹いてみる)練習にしたり、暗譜の練習にあてたりする事ができます。

移調の練習も、とても有意義な時間の使い方になります。

ポイント2:モチベーションと、集中


ポイント1の練習メニューでは、色々な基礎練習を取り入れてみると良いと書きました。

基礎練習というと、ロングトーンや音階練習などが思い浮かびますが、そのような(退屈な)練習ばかりやっていても、モチベーションが下がるだけで一向に上達しない場合もあります。

モチベーションを上げることは、練習時間を効率的にするために必要なことです。

基礎練習が退屈な時間の無駄に感じる場合には、やらないほうが良いです。

そして、その時間で特殊奏法を練習してみましょう。

前項のアンブシュアの練習でも書きましたが、ハーモニクスやホイッスルトーンを練習するのはなかなか楽しいです。

声を出しながらフルートを吹いたり、循環呼吸に挑戦したり、一番低い音を大きな音で出す練習をしたり、4オクターブ目の音を出してみたり等々、フルートはとても楽しい奏法にあふれています。

そのような特殊奏法を練習する事は、音色やアンブシュアの改善に役に立ちます。

ユーチューブなどで、フルート・特殊奏法と検索すれば参考動画がたくさん出てくるので、真似してみてください。

ポイント3:練習をより効率的にするための工夫。練習ノートと録音


練習をより効果的にするために、簡単にできてお勧めの方法は、自分専用の「練習ノート」を作ることです。

難しいと感じたフレーズを練習ノートに書いておいたり、素敵だなと思ったメロディーを移調してみたり、自分の不得意な事を解決するための基礎練習を自分で考えてみたり等々。

練習ノートに書いておくと、後で見返した時にも役に立ちます。

ちなみに私は、大手楽譜出版社ペータースが販売している音楽ノートPeters Music Writing Book: 12 Notensysteme pro Seiteを利用しています。

以前はヘンレの音楽ノートを使っていましたが、ヘンレ版の楽譜と同じく表紙がすぐに傷んでしまうのでペータース版のほうが使いやすいです。

段数も使いやすいのでおすすめです。

録音


練習ノートと同じくらい役に立つのが、練習を録音してみる事です。

特に基礎練習を録音してみると、自分で演奏している時には気がつかない事や、もっとこう吹いたら良いことなどがはっきりと分かります。

最近ではスマートフォンで録音する事もできますが、外部マイクをスマートフォンに接続する事で、より鮮明に録音、録画することができオススメです。

私が最近使っているのは、Shure社のMV88+というスマートフォンに外付けできるマイクです。


USB-Cケーブルとライトニングケーブルが同包されているので、最近のスマートフォンやタブレットにすぐに接続して使用することが出来ます。

音質もスマートフォンのマイクよりはるかによく、また付属のアプリからはマイクの音圧レベルや

楽器かばんにケーブルとマイクを一緒に入れておき、練習中にすぐに気になった箇所を録音や録画してみて確認することができます。

以前はポータブルレコーダーを使っていましたが、スマートフォンの画面操作のほうが巻き戻しや再生も簡単にでき、電池も必要ないので最近は外部マイクのみ使っています。



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