より早い上達を目指して。2時間のフルート練習で何をするか。

 前回の記事『1時間のフルート練習で何をするか。練習をより効率的にするための3つのコツ』では、1時間という短い時間の中でできる最大限の上達方法について考察しました。

今回は毎日2時間練習できる場合には何をすればより効率的に上達ができるかまとめてみます。




練習メニュー


1時間の時よりも倍長くすることができますが、ここでも重点を置くべきことは基礎練習をしっかりやるという事です。

ここでは2つの異なる練習メニューを挙げてみます。


練習メニューその1


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タファネル=ゴーベールの『完全なフルート奏法 第2巻』の第4番の音階をさまざまなアーティキュレーションで2回繰り返す。 30分

シングル、ダブルタンギングの練習 30分
(参考1:もっと早くなるタンギングの練習方法
(参考2:ダブルタンギングについて)

ビブラートの練習(参考:上手なビブラートがかけられるようになる練習法まとめ+楽譜) 10分

音色改善のための倍音の練習(参考:倍音とフラジョレット) 5分

ライヒェルト: 毎日の練習 Op.5の第1番の音階 5分


さらわなくてはならない曲、エチュード等 40分

計2時間

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練習メニューその2


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フルートテクニックの総点検―フルーティストのための20の基礎練習 60分

曲、エチュードなど 60分

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私は普段、練習メニュ−1に近い内容で基礎練習しております。タンギングとビブラートがあまり得意では無いので、重点的にやっているためこのような内容になっております。
ひとそれぞれ、得意不得意な内容が異なりますので目安程度に参考にしていただければと思います。

練習メニュ−2については、ペーター・ルーカス・グラーフのいわゆる「チェックアップ」という練習教本を用いて、ロングトーンからブレス、倍音、ホイッスルトーン、ビブラート、指のテクニック、歌いながらフルートを吹く等々、フルートを吹く上でのほぼ全ての技術を毎日練習する事ができます。
またドイツ人らしくマメに、各練習に必要な時間も目次に一覧で書いているので、時間の無い時にも必要な箇所をささっと取り出して練習する事ができるので大変便利な教本となっております。
私も時々使って練習しています。


曲、エチュードの練習方法


前回書き忘れてしまいましたが、30〜60分という短い時間のなかで効率的に曲をさらうためには、きっちりとできない箇所を重点的にさらうことが必要です。
そのためには曲を通して何度か吹くのではなく、できない箇所や難しい箇所を重点的にさらうと良いでしょう。

以下の方法は、時間を節約できるだけでなく曲の完成度もかなり高めるために効果的な方法です。


1、曲をまずは通して吹く。


目下のさらわなくてはいけない曲を、まずは通して吹いてみましょう。
その際、何があっても止まらないでください。

ポイントは、演奏会で吹いていると想定して吹く事です。演奏前に目をつぶり、目の前にお客さんがいる事を想像しましょう。
お客さんの中には自分の家族、恋人、そして先生、また作曲家もいると想像してみましょう。その人たちに向かって心を込めて演奏します。

2、修正が必要な箇所にチェック


吹き終わったら、上手くいかなかった箇所やもっとさらわなければならない箇所に印をつけましょう。私はいつも星印☆を鉛筆で書き込んでいます。必ず鉛筆で書き込みましょう。できるようになったら消しゴムで星印を消します。

3、リズム練習


星印をつけた箇所を、リズムを変えてゆっくりとなんども丁寧にさらいます。
この方法について詳しく解説した『フルートの指がうまく回らないときの対処法3撰』の「2、リズム練習」を参考にしてみてください。

リズム練習の際のポイント


リズム練習をしたらその箇所は元のテンポで吹かないようにして、次の星印をさらいましょう。全ての星印をさらい終わったら楽器をしまいおしまいです。元のテンポで吹くのは次の日の一番初めの、お客さんがいると想像している時です。

リズム練習をした後に休まないと、せっかく指が覚えた事を忘れてしまいます。焦らずゆっくり休みましょう。こうすることで初めの2、3日は上手くでいないかもしれませんが、1週間も同じ方法で練習してみると驚くほど簡単に指が回るようになります。
騙されたと思ってやってみてください。
 
ちなみにこの方法は私が考案したものではなく、パユの先生でもあったデボストの著書『フルート演奏の秘訣』で述べられているものをまとめたものです。

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