バスフルートでフォーレのシシリエンヌop.78を演奏してみた

 春休みなのでバスフルートを引っ張り出してきて、ピアノを弾いたりバスフルートを吹いたりと楽しみつつ、フォーレのシシリエンヌを多重録音してみました。

シシリエンヌop.78の原曲はチェロとピアノのために作曲されており、バスフルートで演奏するとほとんどオリジナルの音域で演奏する事ができます。




フォーレ作曲シシリエンヌop.78



フォーレの弟子であったケックランが、フォーレの劇付随音楽「ペレアスとメリザント」に、このチェロとピアノのためのシシリエンヌをオーケストレーションして入れ、そのときにフルートが旋律を担当したため、フルートでもよく演奏されるようになりました。

ちなみにシシリエンヌとは、6/8拍子で♩.  ♪♩のリズムを持つイタリア、シチリア島発祥とされる舞曲の事です。

ランパルをはじめ、あまたの名フルーティストの名録音があり、今更私がフルートで録音しても仕方ないので、バスフルートによる少し違った視点からシシリエンヌを演奏してみました。

低音の魅力


フルートは比較的高い音域の楽器です。

毎日フルートやピッコロを吹いていると、どうしても低音域を吹きたい誘惑に駆られます。

現代一般的に使われているベーム式フルートを作ったテオバルト・ベームでさえ、晩年はアルトフルートの改良や、アルトフルートのための作品を作る事に熱意を費やしました。

アルト、バスフルートの甘い音色は魅力的ですが、音色に力強さが無い事や、ダイナミックレンジの狭さ、音の立ち上がりの鈍さのせいでどうしてもソロ楽器として認知される事はありません。

楽器の構造上どうしても低音楽器ほど管体が太くなり、それにともないトーンホールや歌口も大きくしなければならず、そのために音色がぼやけてしまうことは仕方ないようです。


伴奏音源


上の録音の伴奏に使った音源も公開しています。

もしこの曲を吹いてみる事があれば、練習に役立てていただければ幸いです。

楽譜はチェロ版のものを使っております。

http://imslp.org/wiki/Special:ReverseLookup/21224





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