iPadでハイレゾ録音/再生。APOGEE MIC PLUS USBのレビュー
2017年12月にアメリカのApogee社から発売されたコンデンサーマイク『APOGEE Mic+』。
普段からのフルートの練習をできるだけ高音質に録音したいので、持ち運びやすく、かつハイレゾに対応したマイクを探していました。そしてこのマイクを見つけました。
2018年1月現在、日本のアップルストアにはまだ掲載されていませんでしたが、MFi認証を受けている製品です。私はドイツのアップルストアにて269.95ユーロ(約36,700円)で購入しました。
2週間ほど使用してみたので、感想を書いてみます。
マイク本体の大きさは、だいたいトイレットペーパーの芯程度です。
付属品にスタンドがあるので、持ち運びにも便利でした。
マイク本体の他、付属品は小型スタンド、カメラスタンド用のコネクタ、そして3種類のケーブル、説明書です。
ケーブルはUSB、USB-C、そしてLightningの3種類です。
このマイクの最大の特徴は、iOS向け製品のマイクではもっとも最大24-bit/96kHzまで対応していることでしょう。
iOS用に作られたポータブルマイクの中で24-bit/96kHzまで対応している製品には他に、オーディオテクニカのAT2020USBiがありますが、こちらもおすすめです。
さて、iOSでApogee mic+を使い24-bit/96kHzというハイスペックで録音するためには、いくつか注意が必要です。
スペック表に明記されていませんが、このマイクはモノラルです。
もしステレオマイクが欲しい場合には、他の製品を購入した方がよいでしょう。
まず、iOS標準の性能では24-bit/48kHzまでにしか対応しておりません(2018年1月現在)。
たとえばiOS付属のガレージバンドでApogee mic+を利用した場合、24-bit録音を利用しても最高24-bit/44.1までの音質でしか録音できません。
そのため、24-bit/96kHzで録音に対応したアプリが必要となります。
Apogeeの純正アプリ『Apogee MetaRecorder』を利用しすれば24-bit/96kHzまでの録音が可能となりますが、フルバージョンを600円で購入しなければ60秒までしか録音できません。このあたりが少し残念でした。アプリはバックグラウンドでも録音可能です。
ちなみに、この『Apogee MetaRecorder』を利用した場合にも、録音は24-bit/96kHzで行われますが、プレイバックは44.1kHzになってしまうので、音源を一旦書き出す必要があります。
ハイレゾ音源に対応した『mora player(無料)』や、iOS標準の『メモ』に書き出すことで、96kHzでの再生が可能となることにも注意が必要です。
アップル純正のカメラコネクタを利用し、iPadにApogee mic+とBlueのYeti USBマイクを接続してみましたが、マイクは1本しか認識されませんでした。
2本以上のマイクを同時に利用してマルチトラックで録音するためには、USB DACのような機器が必要になると思われます。
Apogeeを純正のカメラアプリで利用することはできませんでした。
動画を撮る際にマイクを使えれば便利でしたが、残念です。
マイクの底部にイヤフォンジャックがあり、プレイバックを聴きながら録音する際にレイテンシー(録音の遅延)を抑えることができるそうです。
私にはあまり必要のない機能ですが、また重ねどり音源を製作する際には利用してみようと思っています。
実際にApogee mic+を使い録音してみます。
こちらから生の音源(24bit/96kHz)をダウンロードできるようにします。音質は一切いじっていないので、家の外を走る車の音や、様々なノイズが入っていますがご了承ください。ハイレゾ音源を再生することのできる環境が必要です。
フルートソロ、ダフニスとクロエより(24bit/96kHz)
また、音質の比較のために、『Yeti Blue usb』でも録音してみました。
2本のマイクを同時には利用できないため、Apogee mic+はiPad、Blue Yeti はMacに接続し録音したものです。音質は、Blue Yetiの最高音質である16bit/44.1kHzです。
Yeti Blue (16bit/44.1kHz)
Apogee mic plus (16bit/44.1kHz)
以上、簡単ですがApogee mic plusの使用感でした。
早くiOSがハイレゾに標準対応してくれると、より一層このようなハイスペックのマイクも使いやすくなるかと思います。iOS11ではハイレゾに対応するとの噂がありましたが、2018年1月現在の時点ではまだ対応していないようです。
ハイレゾ録音も、Dnoteを用いたフルデジタルヘッドフォン(前回の記事参照)も、まだまだ使いこなせていないのでこれから色々試して、これらの特色である高解像度の音源をフルート練習に取り入れていきたいです。
普段からのフルートの練習をできるだけ高音質に録音したいので、持ち運びやすく、かつハイレゾに対応したマイクを探していました。そしてこのマイクを見つけました。
Apogee mic + |
2018年1月現在、日本のアップルストアにはまだ掲載されていませんでしたが、MFi認証を受けている製品です。私はドイツのアップルストアにて269.95ユーロ(約36,700円)で購入しました。
2週間ほど使用してみたので、感想を書いてみます。
1.外観、付属品
iPad pro12.9インチとApogee mic+ |
付属品にスタンドがあるので、持ち運びにも便利でした。
Apogee mic plusの付属品 |
Apogee mic+のケーブル |
ケーブルはUSB、USB-C、そしてLightningの3種類です。
2.機能
このマイクの最大の特徴は、iOS向け製品のマイクではもっとも最大24-bit/96kHzまで対応していることでしょう。
iOS用に作られたポータブルマイクの中で24-bit/96kHzまで対応している製品には他に、オーディオテクニカのAT2020USBiがありますが、こちらもおすすめです。
さて、iOSでApogee mic+を使い24-bit/96kHzというハイスペックで録音するためには、いくつか注意が必要です。
モノラル
スペック表に明記されていませんが、このマイクはモノラルです。
もしステレオマイクが欲しい場合には、他の製品を購入した方がよいでしょう。
アプリが必要
まず、iOS標準の性能では24-bit/48kHzまでにしか対応しておりません(2018年1月現在)。
たとえばiOS付属のガレージバンドでApogee mic+を利用した場合、24-bit録音を利用しても最高24-bit/44.1までの音質でしか録音できません。
そのため、24-bit/96kHzで録音に対応したアプリが必要となります。
Apogeeの純正アプリ『Apogee MetaRecorder』を利用しすれば24-bit/96kHzまでの録音が可能となりますが、フルバージョンを600円で購入しなければ60秒までしか録音できません。このあたりが少し残念でした。アプリはバックグラウンドでも録音可能です。
ちなみに、この『Apogee MetaRecorder』を利用した場合にも、録音は24-bit/96kHzで行われますが、プレイバックは44.1kHzになってしまうので、音源を一旦書き出す必要があります。
ハイレゾ音源に対応した『mora player(無料)』や、iOS標準の『メモ』に書き出すことで、96kHzでの再生が可能となることにも注意が必要です。
iPadで2つのUSBマイクを同時に利用できない。
アップル純正のカメラコネクタを利用し、iPadにApogee mic+とBlueのYeti USBマイクを接続してみましたが、マイクは1本しか認識されませんでした。
2本以上のマイクを同時に利用してマルチトラックで録音するためには、USB DACのような機器が必要になると思われます。
iPadにカメラコネクター、USBハブを接続したが、マルチトラックでの録音はできなかった。 |
カメラアプリとの併用は不可
Apogeeを純正のカメラアプリで利用することはできませんでした。
動画を撮る際にマイクを使えれば便利でしたが、残念です。
長所
マイクの底部にイヤフォンジャックがあり、プレイバックを聴きながら録音する際にレイテンシー(録音の遅延)を抑えることができるそうです。
Apogee mic+の底部。ここにイヤフォンを差し込むことで低レイテンシーを実現するらしい。 |
私にはあまり必要のない機能ですが、また重ねどり音源を製作する際には利用してみようと思っています。
3.音質の比較
実際にApogee mic+を使い録音してみます。
こちらから生の音源(24bit/96kHz)をダウンロードできるようにします。音質は一切いじっていないので、家の外を走る車の音や、様々なノイズが入っていますがご了承ください。ハイレゾ音源を再生することのできる環境が必要です。
フルートソロ、ダフニスとクロエより(24bit/96kHz)
また、音質の比較のために、『Yeti Blue usb』でも録音してみました。
iPadとMac bookで同時に録音しました。 |
Yeti Blue (16bit/44.1kHz)
Apogee mic plus (16bit/44.1kHz)
以上、簡単ですがApogee mic plusの使用感でした。
早くiOSがハイレゾに標準対応してくれると、より一層このようなハイスペックのマイクも使いやすくなるかと思います。iOS11ではハイレゾに対応するとの噂がありましたが、2018年1月現在の時点ではまだ対応していないようです。
ハイレゾ録音も、Dnoteを用いたフルデジタルヘッドフォン(前回の記事参照)も、まだまだ使いこなせていないのでこれから色々試して、これらの特色である高解像度の音源をフルート練習に取り入れていきたいです。