タンギングについて
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フルーティストの舌の使い方は、アンブシュアと直接関係がある。それはピアニストにとっての指のタッチのようなものである。
しかしタンギングはアンブシュアと密接な関係にあることは説明されない。また、独学のアマチュアだけでなく専門的にフルートを演奏しているものの中にも時折見受けられる、舌を速く突くことは成功したが、そのタンギングは非の打ち所がない音色の発音の妨げとなっていることがしばしばある。
フルーティストだけでなく、オーボエ、クラリネット、ファゴット奏者たちにも良いタンギングができるようになるために必ず必要なことは、舌突きを歯の後ろ側で行い、しばしば完全な誤りである歯の間や唇まで舌を前後することではない。
これらの不完全な舌突きは、もともと舌足らずの人にしばしば見受けられる。それらの人の子音のTの発音は、舌の先のとがった部分が歯の間にくる。なぜなら歯並びが悪いか、もしくは下顎が前または後ろ過ぎるからである。このことは特に、次の図に注意していただきたい。
図8では舌の位置(1)が、誤った位置で行われることを描写する。舌の先は上下の前歯に届き(3、4)いている。(2)は口腔である。図9では舌の位置が半分間違えである。なぜなら舌が後ろに引かれた歯の上に乗ってしまっているからである。
タンギングする時の発音は tü(トゥ)である。これが正しいやり方であることは、もし学習者が舌を歯の裏にあて(楽器を持たずに)発音してみればすぐに明らかになるであろう。はっきりと知るために上下の歯を噛んで重ね、少しだけ開き tü と発音する。唇と顎は前後に動かさない。その際次のプロセスを経る。まず舌を軽く上の前歯の裏(口蓋の始まるところ)に当て、そのあたりから内側を閉じた状態にし、そこに軽く息を押しつける(図10)。
そして舌を急に引くとそこに息の通り道ができ、息を急に出したり止めたりすることが可能となり、力強く鋭い音の発音を引き起こす。レガートで繋がれた音の初め1度だけ、
もしくはもっと多くのお互い分けられた音の並び、
これらに関わりなくこれらの舌突きのプロセスを常に行う。これらは「シングルタンギング」と呼ばれる。短くも硬くもない、ゆったりとした柔らかいタンギングを用いるべきところは、tü ではなく dü(ドゥ)を用いる。
いくつかのフルートのスタイルでは、シングルタンギングをする際に子音「 ti 」を薦めているが、私はこれはあまり良くないと思っている。なぜなら、ti は全く別のダブルタンギングのために適している位置であり、シングルタンギングや音色のためには tü の方が目的にかなっているからである。
初めに述べたような誤った舌突きは美しくないだけでなく、力強い音の発音もすることができない。また舌を前後に大きく動かさねばならず、唾を飛ばしたりポンという騒音が出てしまう。
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タンギング
フルーティストの舌の使い方は、アンブシュアと直接関係がある。それはピアニストにとっての指のタッチのようなものである。
しかしタンギングはアンブシュアと密接な関係にあることは説明されない。また、独学のアマチュアだけでなく専門的にフルートを演奏しているものの中にも時折見受けられる、舌を速く突くことは成功したが、そのタンギングは非の打ち所がない音色の発音の妨げとなっていることがしばしばある。
フルーティストだけでなく、オーボエ、クラリネット、ファゴット奏者たちにも良いタンギングができるようになるために必ず必要なことは、舌突きを歯の後ろ側で行い、しばしば完全な誤りである歯の間や唇まで舌を前後することではない。
良くないタンギング
これらの不完全な舌突きは、もともと舌足らずの人にしばしば見受けられる。それらの人の子音のTの発音は、舌の先のとがった部分が歯の間にくる。なぜなら歯並びが悪いか、もしくは下顎が前または後ろ過ぎるからである。このことは特に、次の図に注意していただきたい。
図8、9:間違って行われる舌突きの位置 |
図8では舌の位置(1)が、誤った位置で行われることを描写する。舌の先は上下の前歯に届き(3、4)いている。(2)は口腔である。図9では舌の位置が半分間違えである。なぜなら舌が後ろに引かれた歯の上に乗ってしまっているからである。
正しいタンギングのやり方
タンギングする時の発音は tü(トゥ)である。これが正しいやり方であることは、もし学習者が舌を歯の裏にあて(楽器を持たずに)発音してみればすぐに明らかになるであろう。はっきりと知るために上下の歯を噛んで重ね、少しだけ開き tü と発音する。唇と顎は前後に動かさない。その際次のプロセスを経る。まず舌を軽く上の前歯の裏(口蓋の始まるところ)に当て、そのあたりから内側を閉じた状態にし、そこに軽く息を押しつける(図10)。
そして舌を急に引くとそこに息の通り道ができ、息を急に出したり止めたりすることが可能となり、力強く鋭い音の発音を引き起こす。レガートで繋がれた音の初め1度だけ、
レガートの切れ目にタンギングをする。 |
もしくはもっと多くのお互い分けられた音の並び、
スタッカートの音 |
これらに関わりなくこれらの舌突きのプロセスを常に行う。これらは「シングルタンギング」と呼ばれる。短くも硬くもない、ゆったりとした柔らかいタンギングを用いるべきところは、tü ではなく dü(ドゥ)を用いる。
ポルタートでのタンギング |
いくつかのフルートのスタイルでは、シングルタンギングをする際に子音「 ti 」を薦めているが、私はこれはあまり良くないと思っている。なぜなら、ti は全く別のダブルタンギングのために適している位置であり、シングルタンギングや音色のためには tü の方が目的にかなっているからである。
初めに述べたような誤った舌突きは美しくないだけでなく、力強い音の発音もすることができない。また舌を前後に大きく動かさねばならず、唾を飛ばしたりポンという騒音が出てしまう。
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