ブレスについて

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ブレスについて


フルートのブレスは、健康な人の呼吸器官を必要以上に疲れさせるべきではない。疲れると喉が閉まったり、大きな雑音がする。訓練した演説家のように長い時間疲れずに声帯を用いれば、ブレスに大きな苦労せず演奏できる。
その他に、フルート奏者は、現代のオーケストラの中で長い連続する音符を乗り越えて演奏すること避けざるをえない。初心者はよく軽い胸部の痛むような感覚に時々苦しむ。大抵はただ胸部の筋肉のみを用い、慌てて息を吸ったり吐いたりすることで過度に胸の拡張させてしまうこと由来する。頭痛やめまいといった、初心者特有の苦しみは悩むことのない自然なものである。正しい呼吸法ですぐに解消される。


腹式呼吸


ブレスは静かに、ムラなくしなければならない。もしすぐに胸部が上に持ち上がるようなら、一般的な呼吸は不可能である。そういう時はお腹(横隔膜)から息を吸い始め、深く吸った上で胸部の上半分に空気を入れれば、以前よりさらに息を吸うことができる。

肺の上部を空気で満たすことは、いわば肺尖(肺の上部)と空気がともに有益な働きに関係し、弱い肺や酸欠などに代謝を有益に働く。肺のそれらの部分を用い、頻繁に新鮮な空気で満たすことを管楽器奏者は強いられる。そして息を無駄に消費することを抑えることができる。

あまりにも強引に、肺に空気を長く保とうとすると、そのあと息が吸い込めずに、肺に空気があった分の長さだけ、努力せずに伸ばすことができるだけである。極端に強引に息を吸い込むと肺に気腫(肺が拡大し、気管が病的に拡大する)を起こす原因になる。これは大きな苦痛の原因になる。しかしながら、フルート奏者は他の管楽器ほど心配する必要はない。これらの身体的害悪をなくすため、予め必要な空気を見積もってから吸うことを学ばなければならない。旋律の途中で空気が不足するのは不快であるが、恒久的に肺に空気が残っていることは健康上良くはない。


ブレスの位置


オーケストラのソロの演奏や、ソロ作品のどこに、息を吸って良い位置があるかを、絶対に知っていなければならない。これらはブレス記号"V"として楽譜に書き込まれる。初心者には、どこでブレスに最も適切な場所であるかを見分けることは難しい。有能な教師の教育が受けられないなら、独学のために勧めるのは次にあげた3つの民謡か、もしくはオペラのアリアの抜粋することである。3つの民謡の例から、メロディーのどこで息を吸うことができるか示す。


例1:外に行こう
2、4、6、8小節目のブレスの位置に気をつける。

例2:落穂畑
第8、10小節目のブレスに気をつける。

例3:怠け者の楽園から
第9小節目(3段目初めの小節)、第11小節目のブレスに気をつける。




楽節の中で息を吸うための自然な点は、休符のところ、または演奏している曲に基づいたフレーズの終わりなどの位置である。とりわけ避けなければならないのは解決音の前である。また気を付けなければならないのは息を取ることで音符が短くなってしまうことである。また、音の前に息を取り、先行する音符は短くしないと時間が延びてしまうことにも注意すること。上記の例1では、第2、4、6、8、10小節のhの音が短くなる。ブレス記号の後ろで息を吸わないこと。同様に例2では第8、10小節は気をつけなければならない。例3では小節線でのブレスとなる。しかし"rallentando"があり、第11小節目にはフェルマータがあるので、初心者は第9、10小節の間の小節線の位置で息を吸っても良い。もしくはどこか、歌詞の単語の終わりの音を短くして吸っても良い。



注意すること


聴衆に非常に不快な思いにさせるのは、奏者が息を吸うときに目立った口をパクパクさせることである。それゆえゆっくりと息を吸い、騒音となるようなブレスを取ることには気をつけなければならない。

息を吐くときは激しく衝撃的に胸部を圧縮するのではなく、話すときのように胸をゆっくりとへこませるべきである。それぞれ望まれる音の強さ、速さごとに使い分けなければならないことは明らかである。音を(タンギングの影響なしに)プッと急に吹くと、そっと息を吹きかけて発生させるのとは違い、大きな健康的な悪影響だけでなく、確実に豊かで美しい音を壊滅させてしまう。ゆっくり静かにブレスすることが難しい生徒は、楽器を使わずに頭部管のみで息の練習したほうが良い。またもっと細い管の、例えばオランダの笛や細いストロー(麦わら)などで試してみれば、良い結果が得られるだろう。息を吸ったり吐いたりする際に邪魔になるのが満腹の状態であり、そのせいで息を浅くなってしまうので、空腹状態で試してみるとなお良い。



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