声帯の筋肉組織の誤った利用と、そのため生じる弱い音色

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喉の締まりについて



不自然にしまった喉により、息が上手く吐けない


 先ほど音のベーブングについて強調したが、声門は素早い拡大と圧縮を交互に行うことで、フルートの音の基本的な改良と補強に貢献する。けれども時折、声帯の筋肉組織は無意識に誤まって用いられることで、音色に極めて良くない問題が生じる。おもに初心者がまだフルートの指使いを良く知らなく、演奏している間に指使いがわからなくて正しいのかどうか不安になったときである。(無意識な緊張から)声門を強く縮めることにより、わずかな息しか出せず、その結果貧相なやせた音しか出ない。

 フルート奏者、特に初心者は、そのような悪い癖を持っている者は少なくない。声門はあきらかに不自然に縮こまって息を充分に通さないので、奏者は力強さに満ちた音色、そして何よりも低音において必要な大量の息を上手く吐き出す事が出来ない。

また、きつめの高い襟のシャツを着て、前のめりに身体が丸まった姿勢も、言うまでもなくそういった弊害をさらに増強する。



その他の喉の使い方の間違い


 またそのほかに、声門を音量の調整のために必要以上に広げ、あるいは狭め、”piano”を唇(アンブシュア)の助けにより作り、胸部をわずかに陥没させる。また”forte”では肺から口元にかけての息の流れを強めるため、ほぼ同じように声帯をしぼる。そういったことの影響は、身体には大変な苦労がかかるのに、同様に力強さの乏しい音である。おまけにこれらの声門の圧縮はまた、息を吸う時にハアハアと言うおかしな音をもたらす。

これら雑音がはっきり聞き取れることは、聴衆に演奏で喜びをもたらすためには適していない。一般的に、奏者は総じて自身のおかした失敗を酷く細かくは意識しない。いずれにせよそこから自身を解放することは一番難しいであろう。

 上記の音のベーブングに対する助言は、声門を拡げ保つのにはどのように始めれば良いか鍵を握っている。




訳注:フルートは一般的にチューバの次に息をたくさん消費する管楽器であると言われています。喉をしめてしまうことで肺から十分な量の息が吐けず、同様にブレスをする時にもおかしな音がしてしまいます。
演奏者はそういったことをあまり意識しませんが、その人の演奏を聴いている者にとっては気になり、耳障りな音以外の何物でもありません。
こういったことが起こってしまっていると気が付けば改善できますが、自分のそういった欠点にまっすぐ向き合うことはなかなか難しいものです。


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