フラッタータンギングについて

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フラッタータンギングは本来、タンギングの技術ではなく子音Rの発音から生まれた、口蓋帆と口蓋垂(※訳注:舌や喉、および喉ぼとけ周辺)の振動である。これを用いる事で驚くような効果を上げ、特に鳥の鳴き声を真似る時などには重要である。

ケーラーの教本『パピロン・エチュード op.30(※訳注6 Brilliant Pieces,No.4)』(参考リンク:ワシントン大学デジタルゲートウェイより)では、フラッターを用いる事で蝶が羽ばたくようなキャラクターを示す。

またアンデルセンの『滑稽な変奏曲 op.26』(参考リンク:ペトルッチ国際楽譜ライブラリーより)で使用されているのは、陽気な、ざわざわと振るまうための効果を上げている。

また、オーケストラ作品でもしばしばフラッターを用いる機会がある。例えば、コオロギがリンリンと鳴くハイドンの『四季』のこおろぎ(Allegretto F-Durの雷の音楽の後(※訳注:オラトリオ四季の『夏』の『黒い雲は切れ』の三重奏))や、オペラのカマドウマ(※訳注:カール・ゴルトマルクのオペラ『炉端のコオロギ』)では写実的な印象を引き起こす。

また『道化師』(※訳注:ルッジョーレ・レオンカヴァッロのオペラ)の鳥の歌でも用いられ、リヒャルト・シュトラウスの家庭交響曲でもそのように用いられている。

これらの曲でフラッターを用いることはなかなか骨が折れる。フラッターを試みる際に、アンブシュアの邪魔になる。一番やりやすいのは、2オクターブでフラッターをすることである。



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