フルートの替え指について
『替え指』とは、通常の指使いでは演奏することが難しいパッセージのために、通常とは異なる指使いのことです。
また、音程が悪い箇所や、出づらい音のためにも用いられます。
今回は、いくつか有名な替え指について解説します。
運指の表記については、『4オクターブの運指表』をご参照ください。
替え指の一覧表については、『運指表--フルートの替え指まとめ』をご参照ください。
ビゼーの『カルメン』の有名な間奏曲では、3オクターブ目の bシ が通常の指使いでは音程が低いので替え指が使われます。
この指使いは以下のようになります。
○○● ‖ ○L○●
B
3オクターブ目の♯ドの音程が下がりやすいので、特にPPの箇所などで以下の替え指が用いられます。
○●● ‖ ○●● es
通常の指使いでは音程が高すぎる高音域の♯ソには、通常の♯ソの運指+右手の中指と薬指を足したものがよく用いられます。
Gis
○●● ‖ ○●● es
中音域の ミ や ファ は、どことなく音色が弱く感じられます。
ffで演奏するときに用いられることがあるのは以下の指使いです。
Eは通常の指使い+右手小指でcisキーとesキーを同時に抑えます。
初めは少し難しいかもしれませんが、慣れてくるとなかなか使える運指です。
●●● ‖ ●●○ Es+Cis
H
Fは、通常の指使い+右手小指のesキーを離します。通常の運指よりも簡単、かつより力強い音色になるので、覚えておきたい運指です。
また、H管の場合にはesキーの代わりにギズモレバー(右手小指のローラーの右についているレバー。Hキーのみ動く)を押さえればさらに力強い音色になります。
●●● ‖ ●○○
H
H管の場合には、
●●● ‖ ●○○ + ギズモレバー
H
これらの替え指は、管の一番低い所にあるキーから2つ開けて塞げば、倍音の関係で通常よりも大きい音がでます。
ミ や ファ 以外にも、ラ、シ、ドなどにも応用できます。
ただし、倍音の関係から1オクターブ目にはあまり効果が無いことは留意しておきましょう。2オクターブ目のみ有効です。
※『倍音とフラジョレット』もご参照ください。
特に3オクターブ目の難しい運指には、ハーモニクスを利用した替え指が使われることがあります。ただし、ハーモニクスを用いると音色がかなり変わってしまうので、特に速い箇所でのみ用いることができます。
例として、シューベルトの『「しぼめる花」による序奏と変奏』の第5変奏後半に、通常の運指ではなかなか難しい箇所が出てきます。通常の運指でも演奏可能ではありますが、替え指も可能であり、いざという時には役立ちます。
上の画像の赤線で囲んだ箇所で変え指を使うことができ、Fis、E、Dis、Fis、E は、H、A、Gis、H、A の運指のハーモニクスを利用することによりはるかに簡単に演奏できるようになります。
替え指は知っていても損はしないだけでなく、オーケストラで演奏するときに必須のテクニックとなっています。
通常の運指ではほぼ演奏不可能な箇所も、替え指を使えば驚くほど簡単にでき、他の楽器と音程を合わせなければならないときにも替え指を使わなくてはなりません。
ぜひ、日頃から替え指を練習しておき、いつでもすぐに使えるようにしておくことをお勧めいたします。
また、音程が悪い箇所や、出づらい音のためにも用いられます。
今回は、いくつか有名な替え指について解説します。
運指の表記については、『4オクターブの運指表』をご参照ください。
替え指の一覧表については、『運指表--フルートの替え指まとめ』をご参照ください。
カルメンB
ビゼーの『カルメン』の有名な間奏曲では、3オクターブ目の bシ が通常の指使いでは音程が低いので替え指が使われます。
この指使いは以下のようになります。
○○● ‖ ○L○●
B
3オクターブ目のCis
3オクターブ目の♯ドの音程が下がりやすいので、特にPPの箇所などで以下の替え指が用いられます。
○●● ‖ ○●● es
3オクターブ目のGis
通常の指使いでは音程が高すぎる高音域の♯ソには、通常の♯ソの運指+右手の中指と薬指を足したものがよく用いられます。
Gis
○●● ‖ ○●● es
2オクターブ目のE、F
中音域の ミ や ファ は、どことなく音色が弱く感じられます。
ffで演奏するときに用いられることがあるのは以下の指使いです。
Eは通常の指使い+右手小指でcisキーとesキーを同時に抑えます。
初めは少し難しいかもしれませんが、慣れてくるとなかなか使える運指です。
●●● ‖ ●●○ Es+Cis
H
Fは、通常の指使い+右手小指のesキーを離します。通常の運指よりも簡単、かつより力強い音色になるので、覚えておきたい運指です。
また、H管の場合にはesキーの代わりにギズモレバー(右手小指のローラーの右についているレバー。Hキーのみ動く)を押さえればさらに力強い音色になります。
●●● ‖ ●○○
H
H管の場合には、
●●● ‖ ●○○ + ギズモレバー
H
これらの替え指は、管の一番低い所にあるキーから2つ開けて塞げば、倍音の関係で通常よりも大きい音がでます。
ミ や ファ 以外にも、ラ、シ、ドなどにも応用できます。
ただし、倍音の関係から1オクターブ目にはあまり効果が無いことは留意しておきましょう。2オクターブ目のみ有効です。
ハーモニクスを利用した替え指
※『倍音とフラジョレット』もご参照ください。
特に3オクターブ目の難しい運指には、ハーモニクスを利用した替え指が使われることがあります。ただし、ハーモニクスを用いると音色がかなり変わってしまうので、特に速い箇所でのみ用いることができます。
上の画像の赤線で囲んだ箇所で変え指を使うことができ、Fis、E、Dis、Fis、E は、H、A、Gis、H、A の運指のハーモニクスを利用することによりはるかに簡単に演奏できるようになります。
替え指は知っていても損はしないだけでなく、オーケストラで演奏するときに必須のテクニックとなっています。
通常の運指ではほぼ演奏不可能な箇所も、替え指を使えば驚くほど簡単にでき、他の楽器と音程を合わせなければならないときにも替え指を使わなくてはなりません。
ぜひ、日頃から替え指を練習しておき、いつでもすぐに使えるようにしておくことをお勧めいたします。