フルートの音域と5つの音部記号

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フルートの音域


ソロやオーケストラでのフルートの音域は、低いHから上の4オクターブのCまで渡っている。
時折、試みで低い♭Bや、AやGまで演奏させるものは、足部管の長さがさらに必要であり、キーも増えたために足部管が重くなり非実用的であった。これらの不都合に対する利点は、より低い音域が少しだけ楽に演奏できることである。

現代の作曲家の試みによりフルートの音域は4オクターブ目のD,Es,そしてEまで広げられたが、多くの真面目なフルーティストは抗議の声をあげた。そして物理的に馬鹿げた要求をフルーティストや楽器に対してすることに、『迷惑な行為』というレッテルを貼り、これ以上助長しないようにした。

ピッコロとソプラノフルート


C管のフルートにとってこれらの広音域の音色は甲高く美しくないので、ピッコロが担った。C管のフルートのような音色の性格で高い音から低い音まで吹かれる時は、E管のフルートでなされる。

倍音


一番低いオクターブのHは基礎音、または根音であり(なぜなら、Hから新たな音程を生み出すために必要なことは、自然に各音孔を開くことで管体を短縮することであるからである)、2、3オクターブの音は倍音とみなされる。大部分、特に3オクターブ目の音は、空気の振動の約数の一部から生じるために音程が低すぎるので、管体に付け加えられた音孔がそこではじめて役に立ち、そのおかげで低オクターブと同等な音色や音程になるのである。ここで考慮しなければいけないのは、倍音はそれぞれの楽器には依存しないということである。

根音とその倍音の図




 

確実な音の発音のために優れた助けとして、倍音を熱心に練習することを勧めても良いだろう。幾つかの倍音はバイオリンのフラジョレットに似たキャラクターを持ち、正しい方法の使用は魅力的な効果を与える。

各フルートの音域


現代のオーケストラの演奏で使用されるフルートは、下のCから4オクターブ目のCまで、C管のピッコロ、軍楽隊ならDes管のピッコロとEs管のフルートである。
5つの音部記号


G管のベーム式アルトフルートはC管のフルートよりも4度低く、オーケストラの中ではソロ楽器として使われることが稀にある。

運指に関して、それぞれのフルートには多くの練習は必要ない。ただしピッコロに関しては歌口が小さいために、特に音の発音に慣れなければならない。

フルートの楽譜はバイオリン記号である。いうまでもなくEs管のフルートは3度低く実音が記譜され、Des管のフルートは2度低く記譜される。ピッコロは1オクターブ低く記譜される。アルトフルートは5度高く記譜される。


訳注:シュヴェードラーは倍音の練習方法も本書の後の項で書いています。『倍音とフラジョレット

フルートは、1オクターブ目の基礎となる根音の上に2〜4オクターブ目の音域が倍音として発音されますが、自然倍音による音程は音域が高くなるほど、人間の耳にとっては音程が低く感じられます。そのため、キーを取り付けることで音程や音色を整える必要があります。
そのせいで、フルートの3オクターブ目の音域の運指は複雑になっているのです。





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