フルートの素材
フルートの素材について
シュヴェードラー『フルートとフルート奏法』
管体の材質:グラナディラ
良いフルートを製作する時、私たち楽器製作家はほとんどがキングウッド、ヤシ(Kokosholz)、もしくはグラナディラを用いる。
グラナディラは特にフルートの管を作るために適しているので、ほとんどの場合はグラナディラが用いられる。
昔はフルートをツゲで作ったが、ツゲはとても柔らかく、しかも簡単に割れやすい性質があるので用いられることは無くなっていった。
それにひきかえ、グラナディラには樹脂が混じっており、そのため湿気による割れなどの影響に対して強い。
頭部管の材質
頭部管や上管は、グラナディラよりもさらに固い木で製作されたものが最良であろう。
しかし頭部管の歌口のフチはすぐにすり減り、音を確実に発音することは不可能になるので、象牙やプラスチック、あるいは後述の素材が主に用いられるされる。
しかし頭部管の歌口のフチはすぐにすり減り、音を確実に発音することは不可能になるので、象牙やプラスチック、あるいは後述の素材が主に用いられるされる。
ときどき、木の頭部管の歌口にはめ込まれた金、または銀の歌口があるが私は好まない。
そのフルートの音は柔軟さに欠け、また音色は鋭くなる。
キーの素材として真鍮、洋銀、また銀が用いられる。
洋銀を鍛練して製造されたキーは特に丈夫である。
なぜなら 万一曲がっても折れるリスクが無いし、元に戻す事もたやすいからである。
ここ最近、多くのメーカーが、鋳造したキーを導入した。そのキーの製造はとても楽で、それを取り付けられた楽器はその低価格ゆえに注目されたが、しかしそれは失望された。
些細な事でキーは折れ、奏者をこまらせたからである。
そのフルートの音は柔軟さに欠け、また音色は鋭くなる。
キーとタンポの素材
キーの素材として真鍮、洋銀、また銀が用いられる。
洋銀を鍛練して製造されたキーは特に丈夫である。
なぜなら 万一曲がっても折れるリスクが無いし、元に戻す事もたやすいからである。
ここ最近、多くのメーカーが、鋳造したキーを導入した。そのキーの製造はとても楽で、それを取り付けられた楽器はその低価格ゆえに注目されたが、しかしそれは失望された。
些細な事でキーは折れ、奏者をこまらせたからである。
キーのバネは、鋳造された真鍮、または洋銀で作られる。
より良い楽器は、キーを容易に閉じることが出来るように、ネジで留められた鋼のバネを備える。
これらはいうまでもなくポストに留められ、野外で使われることの多い楽器には薦められない。
鋼鉄のバネは、そのバネを受ける部分もまた同様に鋼鉄でなければならない。
タンポはフランネルかフェルト、また柔らかい皮(フィッシュスキン)か金箔打皮(Goldschlägerhaut)が用いられる。
キーを確実に閉じるためには、いつも柔らかいタンポを用いるべきである。
管体の継ぎ目をより確実に閉じる事は、音の発音をよくするために必ず必要である。
そのため、継ぎ目にはコルクが用いられる。
コルクの台木の代わりに継ぎ目に糸を巻き付けたものは、空気が漏れる小さな溝を塞ぎ、しっかりと空気の遮断するためにはいくらか効果がある。
より良い楽器は、キーを容易に閉じることが出来るように、ネジで留められた鋼のバネを備える。
これらはいうまでもなくポストに留められ、野外で使われることの多い楽器には薦められない。
鋼鉄のバネは、そのバネを受ける部分もまた同様に鋼鉄でなければならない。
タンポはフランネルかフェルト、また柔らかい皮(フィッシュスキン)か金箔打皮(Goldschlägerhaut)が用いられる。
キーを確実に閉じるためには、いつも柔らかいタンポを用いるべきである。
管体の継ぎ目をより確実に閉じる事は、音の発音をよくするために必ず必要である。
そのため、継ぎ目にはコルクが用いられる。
コルクの台木の代わりに継ぎ目に糸を巻き付けたものは、空気が漏れる小さな溝を塞ぎ、しっかりと空気の遮断するためにはいくらか効果がある。
ウィーンのフルートメーカーは、キーのタンポをフェルトやフィッシュスキンの代わりにコルクを用いる。
その際、いくらか張り出した音孔が管体に並ぶ。コルクのタンポの長所は私にはまだよくわからない。
その際、いくらか張り出した音孔が管体に並ぶ。コルクのタンポの長所は私にはまだよくわからない。
訳注:シュヴェードラーが生きていた当時のドイツの楽器はほとんど木製のものが好まれていました。
金属製のベーム式フルートが多く用いられるようになっても、リッププレートがプラスチックでできたものが多く、柔らかくレスポンスの良い音色が好まれていました。
シュヴェードラーは後の自作の楽器で管体がグラナディラ製、頭部管が金属のモデルを製作していますが、リッププレートにプラスチックを用い、円錐管の管体を採用していることからも、ドイツの伝統的なフルートの音色を受け継ぎ発展させようとしていたことが伺えます。
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