アルトフルートに関していくらか

シュヴェードラー著『フルートとフルート奏法』より、アルトフルートについてです。アルトフルートの購入や、音色、移調のやり方について書かれています。

アルトフルート




アルトフルートに関して、多くのフルーティストや愛好家は十分に習わないので、私はいくつか書いてみようと思う。
 

アルトフルートの購入 円錐管アルトフルートと円筒管ベーム式


アルトフルートを購入する際には、一般的なシステムのフルートを手に入れることはやめたほうが良い。なぜなら、木製の円錐管の大きなフルートはとても重く扱いにくいだけでなく、演奏する際に大量の息を消費しきついからである。

それゆえ、円筒管のベームシステム(クローズドGisキーと右にBキーのあるもの)にすることを進める。管体は金属(銀か洋銀)でできたものは薄く、容易な発音が可能になる。楽器製作者が見守らなければならないのは、管に対するメカニックな部分の割合と、平たいキーが曲がってしまい普通のフルートのように強度を保つことの妨げにならないことである。
シュヴェードラーにより、歌口の隆起をつけられたリッププレート
アルトフルートを吹くと、当然ながら普通のC管のフルートよりもさらに大量の息が必要になる。
しかし普通のフルートとアルトフルートの違いは、あまり大きくなく、歌口に隆起をつければ(『歌口とその形状』参照のこと)、それらを確かに軽減できる。なぜならこの楽器はゆっくりした演奏に適しており、また特に低い音域でのみテーマが来る(3オクターブは美しい音色ではない)。そしてアルトフルートの運指は普通のフルートとほとんど同じであり、もちかえ楽器として加えて演奏でき、指使いのことで混乱する心配もない。


アルトフルートの音色、アンサンブル



下の2オクターブは朗々とした満ち溢れた音色で、フルートの音色でフレンチホルンよりも憂鬱な(schwermütig)メロディーに適している。ピアノやその他の楽器の伴奏とともに演奏する時、普通のC管のフルートと一緒にアルトフルートを演奏するととても美しい。また、フルート、フレンチホルン、ピアノのためのトリオで、フレンチホルンの代わりにアルトフルートを利用することもできる。この場合、アルトフルートで ホルンの声部(in F)を1音(長2度)下げる。同様にイングリッシュホルンの楽譜も利用できる。華麗なアルトフルートの音色は、ソプラノ歌手の伴奏としてアルト声部で参加できる。良い効果があるのは、アルトフルートをピアノトリオ(ピアノ、バイオリン、ビオラもしくはチェロ)のビオラかチェロの声部で参加することである。


アルトフルートのための移調のやり方


これらの音部記号(ハ音記号もしくはヘ音記号)は私にとってあまり馴染みのないものであるが、しかしこれらを移調し書き換えることは難しくはない。もっとも簡単で手のかからないのは当然ながらト音記号をやり遂げることである。もしこれらの楽譜をアルトフルートように書き換えピアノ伴奏したい場合には、完全4度高く(当然ながら元々の音から数えて)書かれるか、完全5度下の音に書き換える。
それが一番良い方法だと当たり前ながら分かる。ピアノ声部をアルトフルートように書き換えることは、時間も使い疲れる。


ベーム式アルトフルートの素晴らしい製作家として、ライプツィヒの懇意の楽器製作家であるオットー・メーニヒ(Otto Mönnig)氏が有名である。




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