フルートの起源と発展2 リコーダーの種類と改良

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フルートの起源と発展2:縦笛の種類






 1571年2月15日、アイゼンベルク(Eisenberg)のクロイツベルクにて、ブラウンシュバイク公爵領の楽長の元に生まれ、傑出した音楽著述家であったミヒャエル プレトリウス(Michael Brätorius)は、彼の重要な作品『Syntagma musicum(訳注:音楽のすべて)』(1615年Wittenbergにて)において、当時のリコーダーを以下のように列挙している。


 1.小さい笛(Ein klein Flötlein)、15度高い(Quintadecima)、コルネットより2オクターブ高い。
 2.ディスカントフルート、4度低い
 3.ディスカントフルート、1のフルートより5度低い
 4.アルトフルート、1のフルートより1オクターブ低い
 5.テナーフルート、4のフルートより5度低い
 6.バセットフルート、さらに5度低い、下部に排水口を持つ
 7.バスフルート、さらに5度低い
 8.大バスフルート、6よりも1オクターブ低い
 
 プレトリウスはこれら8種の音域の異なるフルートを編成し、教会音楽に用いた。また彼はフルートの音色を互いに良く調和できるよう、またパイプオルガンにも調和をもたらすよう、口の部分と初めのキーの穴の距離および下管も調整し、そのためには上管を押し込め、任意の管の長さに、またそれに即した音程の状態に持っていけるようにした。プレトリウスはそれゆえStimmzug(音程を変えるための管の継ぎ目)の考案者である。


バスリコーダー


バセットフルートやバスフルート、そして大バスフルートとして知られるものには奏者の手に負担を減らすために真ん中がS字にカーブした吹き口を持ち、6か7つからなる指孔を塞ぐため、キーを取り付け低いCまで出せるようにしたものがある。右手で楽器の下の方の指孔を塞ぐという習慣は当時はまだ無かった。それゆえ、そのようなキーは真ん中で分かれて両側に伸びていたため、左手を楽器の下に添えていた奏者にも扱えるようになっていた。

小さいシュナーベルフルートにおいてはこれらのキーは見られない。その代わり、次のような特徴が見られる。キーを取り付ける代わりに、楽器に開けられた隣り合う2つの小さな穴のどちらか片方を楽器の下に置かれた手の小指で塞ぎ、もう片方を接ぎ木して閉じることである。


片手のためのリコーダー


いわゆるシュヴェーゲルやシュヴィーゲル(古いドイツ語ではSwegalaといい、パイプのこと)もまたリコーダーの一種であるが、指孔は先述のものよりも少なく、片手で演奏されるものである。
15~16世紀の本の挿絵には時々、これらの楽器を手に持つ歩兵の姿が描かれている。

”太鼓を打ち鳴らすよう
そのように笛を吹きならせ!”
と書いてある絵を見ると、歩兵が両手に2本の笛を持ち同時に吹いている。







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